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十二月大歌舞伎:夜の部

2005/12/17-16:30開演 歌舞伎座

昼夜どっちにしようか悩んだ結果、いい席が取れそうだったのと、最後の演目のみどころに「年の瀬を忘れさせてくれる」なんて文句があったので、賑々しいのかな、と思い(ストーリーはあんまり読まないので、イメージだけ)夜の部に。いや、両方観れればいいんだけど、諸般の事情が・・・。




『恋女房染分手綱』(こいにょうぼうそめわけたづな)
福助さんと児太郎くんの親子による、親子の別れを描いた演目。イヤホンガイドで「別名イヤじゃ姫」なんて言われていた姫様がかわいらしい。(と思っていたら、19日にNTVで放送されていた中村屋兄弟の特集で、イヤじゃ姫を演じている子供の頃の七之助くんがちょっとだけ見れた。知ってると得した気分♪)
児太郎くんは堂々とした花道の登場、舞台上に一瞬独りきりになって演じてたり、弥十郎さんとやり取りをしたり、子役とはいえないくらいの役でした。元気でかしこい馬子だなあと思っていたら、お母さんに出会ってからのやり取りはいじらしい。福助さん演じるお母さんが自分の立場上、姫君のために母と名乗れないんだけど、どうにかしてあげて!と思ってしまった・・・笑いと涙の演目でした。

『船辨慶』(ふなべんけい)
有名な演目。でも私はどうも舞踊系が苦手のようで・・・席もちょっと見えにくかったのもあり、途中で文字通り舟を漕いでしまいました、すいません。でも、玉三郎さんの、静御前と平知盛の亡霊の2者の演じ分けは両極端な役なんだけれど(そもそも性別すら違うし、片方亡霊だし)さすがでした。勘三郎さんの船頭の掛け声がなんか独特。あれは演じる方によって変わったりするのかしら?

『松浦の太鼓』(まつうらのたいこ)
私の歌舞伎の見方が何かおかしいのかわからないけれど、恋女房染分手綱とか、これとか、ストーリーがある演目が好きです。もともとストレートプレイ好きなので仕方ないのかな。
赤穂浪士の討ち入りの話なんだけど、変に悲壮感もなく、どちらかというと爽やかなすっきり感を感じて終わる演目ですね~。「みどころ」で書かれていた意味がわかった気がします。
なんといってもその悲壮感のなさは、勘三郎さん演じる松浦鎮信のキャラクターのおかげでしょう。ちょっとしたことで機嫌がよくなったり悪くなったり、その仕草や言葉にもどこか愛嬌がある、ああいう演技は観ていてほのぼの楽しくなります♪だけど、それも単なるキマグレなお殿様なわけではなく、ちゃんと「義」を重んじるからこその言動なんだから、一本筋が通っていて気持ちがいい。
そこに関わる弥十郎さん演じる宝井其角も、いい味出してる!弥十郎さんは脇役でもものすごい存在感のある方で、それでいて演技は自然で観やすい。勘三郎さんとのやりとりなんかも、お互い軽妙でいいですよね。
そして出番は冒頭と最後だけだけど、すごくかっこよかったのが橋之助さん演じる大高源吾。冒頭での何か思いを秘めたような、力強い声での句の読み上げにぞくっとし、ラスト、華々しく討ち入りの報告に現れた場面もこの演目でたった一人、武士らしい武士のような(だって松浦の殿様はもっとのどかだし・・・)男気のある役で、かっこよかった・・・。

ここ数年で何回かしか観たことのなかった歌舞伎も、今年はそれでも結構観たほうだと思います。もっと観たい演目はあったけれど、チケットが取れなかったものもあるし・・・。来年はまた歌舞伎に新しい試みもあるようですし、だんだんご贔屓な役者さんが増えてきたこともあるし、もっと観られるといいなあ。
とりあえず、歌舞伎会には入会すべし、な気がしてきた・・・。

by yopiko0412 | 2005-12-24 15:04 | 歌舞伎  

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