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『レ・ミゼラブル』

2005/4/10 17:00-帝国劇場

何も説明することないレミゼなんですが(笑)

この日のキャストはこんな感じでした。(敬称略)
ジャン・バルジャン=山口祐一郎
ジャベール=今拓哉
エポニーヌ=坂本真綾
ファンテーヌ=マルシア
コゼット=剱持たまき
マリウス=泉見洋平
テナルディエ=佐藤正宏
テナルディエの妻=森公美子
アンジョルラス=坂元健児

まず大前提。私はレミゼは小学生か中学生の時、確か鹿賀丈史さんと村井国夫さんコンビで観て以来、です!(爆)なんでか、お芝居好きなここ数年にも関わらず、レミゼだけは観てなかったという。というか、ここ数年のレミゼの「クワトロキャスト」になじめず、しかも顔ぶれに納得できない人がいたり、自分の中であの子供のときのレミゼの印象がえらい強かったため、こんなことになってました。
しかし。今となってはもったいなかった・・・2003年なんてまさにお芝居熱観まくってた時期であって、観ておくべきだったー!と今後悔してもほんと遅いんですけど。
とにかく、観てる最中から感動しまくり、終わってからも「また観たい」と思い、夕べからずーっと、頭の中にレミゼナンバーがぐるぐる回っております。予習用&山本マリウス聴きたさ(笑)で買った2003年別所版を通勤のお供にしてみました。でもいいシーンで電車の轟音に音をかき消されて一人で憤慨したり、なんだか危ういくらいレミゼにぐらついてます(汗)

こんなに感動したのはなんでだろう?やはり子供のとき観るのと、今観るのとでは、感じ方が違うのかもしれない。もちろん子供のときの記憶が強いから、今まで手を出さなかった、てのもあるけど、それはそれとして、大人になった今だから感じ入る部分もあるわけです、てかお話的には子供には難しかったであろう、と。あとは、いいお席(4列目センター)だったから余計に、とか(笑)この距離だと、役者さんの細かい動きも表情も見えるし、でも近すぎないから舞台全体もちゃんと見えるんです。さいこー!やっぱお芝居はいいお席で観たいです。あ、このお席のおかげで、カーテンコールの花束ゲットできました!!てか普通に私めがけて飛んできましたからありがたくちょうだいしました♪どなたが投げられたかは不明ですが・・・。

色々思うことはあるんですけど、どう順序だてたらいいのやら。思いつくままに~。




泣きどころですけど、私結構涙腺弱いので、簡単に泣きます。泣く理由も様々ですが、悲しいシーンで泣く、てのは当たり前、単にそのシーンに圧倒されて、ていう理由でも泣けてきます。1幕前半のファンテーヌの件はいいですね。坂を転げるように落ちていくファンテーヌ。でもその心にはちゃんとキレイな部分が残ってる。ちょっとマルシアさんが『ジキル&ハイド』の時の迫力がなかったかな、という気もしますが、キャラの違いか(笑)あんな度迫力のファンテーヌじゃちょっと恐いものね。

話が前後しますが、冒頭のバルジャンと司教様の件も好きです。この物語の一番の基礎になる部分ですものね、これがなかったら、今後のバルジャンの生き様はなかったわけですから、そしてジャベールの生き様も。その他の人々の人生も。

2幕は、開演前の森公美子さんのアナウンス通り、ハンカチ必須の展開ですからね、泣きました(笑)これでもかこれでもかと続けざまに色んなシーンが来るわけですが、私はガブローシュの死が一番痛かったです。もちろんその前のエポニーヌも、その後のバリケードの学生たち(含むアンジョルラス)も、ジャベールの自殺も、生き残ったマリウスの嘆きも、バルジャンの死も、どれもこれもすごいんですけど。やっぱり、子供が、あんなふうに散っていく様は思い出しても痛いです。

この回では、ガブローシュが傷つきながらも最後の力を振り絞って見えないバリケードに向かって投げた敵兵の弾薬は、いい位置に飛んだんですが、バリケードの学生たちはそれを掴むことができなかったんですが、あれは毎回取れたり取れなかったりするんでしょうか?取れなかった学生(演者)が悔しがってる演技が見られましたが、どうなんだろう、と思いまして。
それにしてもこのバリケードの一連のシーンは、セットが持つ役割も大きい。盆を回してバリケードの表と裏を次々と見せていく手法はすごい。陥落後の、内側の累々たる死体を見せ、外側のガブローシュ&旗にくるまって壮絶な死を遂げたアンジョルラスを見せ、また戻る。このアンジョルラス、盆が象徴的にゆっくり回る間中、目開いてました。さすが。ファンテーヌも目開いてましたね、バルジャンが閉じさせてあげてた。エポニーヌは閉じてた様に見えました。眠るように死んだ、てこと?

ジャベールの自殺。これ、私の子供のとき見たレミゼの記憶の中でも最高に鮮明な記憶でした。橋から飛び降りるシーンを、あんな風に演出するのか、と。そして鬼気迫る演技の(多分)村井国夫さんがあまりにも印象的だったのです。で、今回もこのシーンが近づいてきて、わくわくしてました。いやほんと、昔の記憶のままに、橋から落ちるわけですね。そして落ちる様の演技。これってきっと演じる役者さんによっても違うんだろうなあ、と思うと、他のキャストの日を観たくなります。ああ、そういう狙いのクワトロキャスト?これは他の役にもいえますね、どの役も、他の人がやったらどうなるんだろう、とか、相手があるシーンだと、組み合わせが違うとどうなるんだろう?とかつい期待してしまいます。

エポニーヌはマリウスにもいわれている通り、暗い人生、てかあなたが悪いのよ、マリウス(爆)でもマリウスも最後の最後でポニーヌの気持ちに気付いたわけで、だからこそあれだけ取り乱したのかな、と。彼は彼なりにポニーヌの気持ちを受け止められなかった自分を責めてたのかな、と思うと少し救われる。オンマイオウンは、舞台上に、セットもなくたった一人のエポニーヌ、ていう状況が一人ぼっちさを際立たせてました。しかしエポニーヌ、途中の場面でも声が聞き取りづらいなあと思ってたんですが、死ぬときはほんとに聞こえなかった・・・マイクの位置が悪いのかしら?ちなみに声の聞こえなさはメイン女性二人ともに感じました。コゼットは高い音域が多いから大変かもだけど、男性陣と声を合わせることが多い役だけに、かき消されちゃダメじゃない、と思ったり。

よく話題を目にする、マリウスの見せ場、カフェでの嘆きの歌。泉見マリウスも、泣いてるんだけど、結構しっかり歌い上げますね。泉見マリウスは、嫌味がなくて好きです。突然の恋に有頂天な感じと、仲間と共に熱い志を遂げようとする姿、どちらもほんとだろうな、と思わせてくれます。この役、結構演者によって印象変わりそう、と思います。他のマリウスも見てみたいな。でもイメージ的に岡田マリウスは、マリウスにしてはお年がいってるんじゃないかしら?とも思いますが、いかがでしょう。彼はどうもTo be continuedのイメージが強いってのもあるかも。イメージ払拭のために観るのもアリかな~。藤岡マリウスも、評判が良いみたいなので、見たい。しかしもう出演回数が限られてる・・・。それと、泣きじゃくりと噂の山本マリウス、CDでもそんな雰囲気は伝わるけど、できることなら生で観たかった・・・て言ってももう遅い。もう彼はマリウスはやらなさそうだし・・・CD聴きながら脳内で補完します。

テナルディエ夫妻。この二人も、役者さんによってだいぶ違いそう。特にテナルディエの妻は森公美子さんのふくよかな体格を有効に使った演技だったので、客に胸を触らせてお金を取る、とか、お代を服の間に入れさせる、とか、細かく楽しませてもらいました。テナルディエの佐藤さんは、アカドクロの家康ですね、ミュージカル畑の方ではないので歌はモリクミさんと歌うとちょっと負けてましたが、したたかに、しぶとく生きていくテナルディエでした。この夫妻は物語の要所要所で出てきて、ものすごいインパクトを与えてくれる(笑)モリクミさんの歌はさすが、という響き方で、舞台前方中央の奈落(?)から夫妻で顔を出して歌ってるシーンなんてほんとに目の前で度迫力の歌と演技を堪能できました☆しかしこの夫妻、一人娘であるエポニーヌの死を知ってたんでしょうか・・・子供のときはあんなにかわいがってたのに。

肝心の、バルジャン。山口さんのバルジャンが見たい、というのが第一目標だったので、これまたいいお席で堪能♪前述の、冒頭部分ももちろん、そのほかにすんごく印象的だったのは、リトルコゼットとの「ぐるぐる」です。ほんとに幸せそうで、観てる私までにこにこしてました。急いで服を着替えさせてるその姿もステキなパパ、て感じで(笑)
バルジャンは、役柄上どうしてもいいシーンが満載なのですが、司教様に救われた人生を人々のために捧げ、ジャベールですら殺さず、複雑な心境を見せながらマリウスを救い、自分から離れていくコゼットを見つめ、最後にはたった一人で死んでいこうとする。こんなに感情の起伏の激しい人物、自分自身の存在を自問自答して生きていく人物、その覚悟と哀しさの表現がすごいです。あの最後の手紙には何が書かれていたのか。読みながら、コゼットとマリウスは泣き笑いになってた。きっと彼の人生の秘密が明かされ、彼が大事にしてきたことがなんなのか、何を願っていたのか、二人には伝わったんじゃないかな。

余談ですが、小説では最後の流れが多少違います。マリウスとコゼットは結婚し、二人の立派な邸宅に時折バルジャンが訪ねていく、という中で、徐々にマリウスがバルジャンを疎んじるようになり・・・それは、バルジャンへの誤解(というかバルジャンと市長が同一人物という認識が彼になかったから、司教様から燭台を盗んだバルジャンが身内というのはマリウスには嫌だったと。)が原因で、最後にはマリウスもバルジャンという人物のことを知り(もちろん彼に助けられたことも知り)、コゼットと共に死の床のバルジャンを訪ね、許しを請う、という展開だったはずです。これまたずいぶん昔に読んだ記憶ですが。

あと、ラッキー(?)だったのは、プログラムがこの上演から、今年の舞台写真を使ったものに変わっていたということ。でも、でもですよ。できれば2003年の舞台写真を使ったもの「も」欲しかったんですけど・・・(笑)余ってるでしょ、売ってください(爆)きっと写ってると思われるんです、山本マリウス・・・CDのブックレットにも写ってましたが、もっと見たい!ここらへんは単なるファン心理ですかね、すいません。

忘れちゃいけない、カーテンコール。お花をゲットしたことは言いましたが、それにしても長いですね~。恒例ですか?出演者の方が和やかな雰囲気なのも伝わり、最後は山口さんが一人、鳴り止まない拍手に答え、去ろうとしては立ち止まって答え、セットの柱の陰に隠れて顔を出して手を振って答え、なんていうお茶目な仕草に笑わせてもらいました♪
でも、ちょっと残念というか、興ざめしたのは、「黄色い歓声」が上がったこと・・・あのー、アイドルじゃないですから、コンサート会場でもないですから。Never Gonna Danceの時はまあ出演者的に予測の範囲内でしたが、これは想定外!なんとなく、せっかくの舞台の感動が減少するので、やめてください。ファンなのはいいんです、一生懸命拍手しているお着物姿の奥様が隣にいました、すごく伝えたかったんでしょうね、拍手で。それでいいんじゃないかと。拍手、スタンディング、そして手を振る、それくらいが限度かなあと思いました。まさかレミゼ観てマナーが気になるとは思わなかった・・・正直がっかりします。

それにしても、こんなにはまるんだったらもっと早くから見ておけばよかった・・・そしてチケット取っておけば良かった・・・今からでも取れるところはあるみたいですが、キャストを選ぶと難しい(汗)なんとかもう一度くらいは観たいですね~。観たいのは、岡ジャベ、藤岡マリウス、新妻ポニーヌ、河野コゼット、他のキャストも違う配役で観てみたいです!

by yopiko0412 | 2005-04-11 17:34 | ミュージカル  

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