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『江戸宵闇妖鉤爪』

2008/11/24-11:30開演 国立劇場

江戸川乱歩作品を初めて歌舞伎化した新作。原作は読んでない状態で、どうやら染ちゃんが二役だとか、宙乗りするだとか、江戸時代に話を置き換えてるだとかという情報だけで劇場へ。ちょっと久々の歌舞伎鑑賞だったような・・・?
今回はイヤホンガイドを借りなかったんですが、やはり新作だからか、難解なことはなく、全く問題なかったです。
ちなみに、開演前に劇場前で高橋克実さんに遭遇。私、前にも劇場でお客さん同士で出会ったことが何度か・・・スケジュールが似てるのかしら?(笑)しかし普通にしてると違和感なく周りに溶け込んでました~。




さて、舞台。原作を知らなかったので何が原作どおりで何がオリジナルかはわからないのですが、まあストーリーは奇想天外、というか、突っ込みどころ満載!(笑)だけど、そんなのいいや、と思えるほど娯楽性に富んでたし、役者陣も魅せてくれたし、舞台装置や演出も凝ってましたねえ。
染ちゃんは、半獣半人の人間豹と、その人間豹に愛する女を次々と殺される武家の放蕩息子の二役、全く性格の違う役で、それぞれの魅力をきっちり演じ分けてくれました。宙乗り以外に、早替わりやワイヤーアクションもあり、ほんとにこれでもかというほど大車輪の活躍!
そして、今回初めて歌舞伎で拝見した市川春猿さん。TVのトーク番組なんかではよく見てたけど、なかなか本職の歌舞伎を見る機会がなかったので、高麗屋さんとの共演はうれしい限り。こちらは、三役。同じ顔をしている、という特性が、歌舞伎という世界ではこんな風な演出的効果も生まれる、というところが面白い。町娘、芸妓、そして明智小五郎の妻という三者三様の女性を、こちらもきっちり演じ分けていて、幸四郎さん曰く「素敵な若い女形の方」というのが本当によくわかります。
そして、明智小五郎として舞台をどっしりと締めていたのが、幸四郎さん。前半、なかなか登場しなかったんだけど、飲み屋の場面で後姿で登場、ついに台詞を口にしだすと、一気に重厚さが増しました。
少人数での座組みでしたが、さりとて舞台がスカスカになることもなく、舞台を小さく使うこともなく、そこは演技の大きさ、演出と舞台装置の掛け合わせですばらしく。

今回、チケットゲットに出遅れたのですが、国立劇場の電話受付で係りの方に確認しながら、2階のセンター目の席を予約。宙乗りもあるし、2階でも舞台が見切れることはあまりない、という助言はまさに正しく、舞台も宙乗りも堪能できました~。というか、宙乗りについては、2階の方が人間豹の全体像が見えていいかも♪そして舞い散る紙吹雪の中最後の一瞬まで表情を緩めない、むしろ挑むような表情をしながら去っていく染ちゃんを見つめることもできました☆

第二段も決まったということで、またわくわくするような新作歌舞伎を楽しみにしています♪

by yopiko0412 | 2008-12-14 21:17 | 歌舞伎  

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