『どん底』

2008/4/26-19:00開演 シアターコクーン

豪華かつバラエティーに富んだキャストにケラの演出。なんとかゲットしたチケットでした~。

しかし私、相変わらず基礎知識なしなので、ちゃんと理解できたのかどうか謎です。てかどこらへんがケラの味付けなのかわからないし…(^-^;




どん底の中を、精一杯生きる人々を描いた群像劇。
いくつもの糸が絡み合っているけれど、基本はペーペルとワシリーサ、ナターシャの物語なんだろう。このどん底の世界にやってきた老人はしかし、彼らに救いや励ましの言葉を掛け、導こうとする。でも彼らの物語は明るくは進まない。救いがあるのか、ないのか。舞台の始まりと終わりで、登場人物達は何か良い方向に変わったのか、より悪くなったのか…見終わったあとはしっくりこなかったけど、そういうものなのかもしれない、と考えることもできる。
結局、アンナは幸せに死ねた。男爵は誇りを少し思い出した。饅頭は結婚した。サーチンは自分の罪を認め、周りを見ることができるようになった。
一方で役者は死んだ。その死は、老人が話した真実の国を信じた男と同じ末路だったのではないだろうか?
捕まった二人はそれぞれ絶望の中。ナターシャは恐らく身を投げただろう、「あたしに酷いことをしたら、死んじゃうよ!」の言葉通り。
そして老人はどこへ?彼もまた何かあるはず。老人こそ、真実の国を信じる男を絶望させ死なせた学者なのではなかったのか?その罪を負いながら彼もまたどん底の世界を歩き、人々を救う贖罪の旅をしているのではないのか?
クライマックス、捕まったペーペルのために老人が何か行動を起こすかとも思ったが、広げた風呂敷は畳まれることなく舞台は幕を閉じた。
最初は、不思議な消化不良を感じた、かな。
でも、こうして頭を整理してみると色んなことを想像させる余地がやたらと多い。無常を感じつつ、それでもあのあとも彼らは生きていくんだ、力強く、と思う。

老人の段田さんはさすがの存在感と良く通る声。あのとらえどころのなさと、でも何か裏があるんでは?と思わせる空気の作り方がすごい。老人の言葉はどれもが真理で、救いで、許しで、心に響く。段田さんはやっぱり上手い。ステキ。
ワシリーサは、アバズレ風な雰囲気ががんばってます感が出ちゃってたかなあ。ナターシャは、あのどん底の中に咲いた一輪の花、だったけど、彼女もやっぱりもがいてる。心の透明感をあれだけ表現できるのは緒川たまきの特性ですね。でも結局何を信じたらいいか、誰を信じたらいいかわからないままに、彼女もどん底を抜け出すことはできなかったのが哀しい。
江口さんは、初舞台はチケット戦線に敗れてしまいましたが、今回、頑張ってたと思います。役者さんとしてとても好きなので、ますます舞台で力を上げていって欲しいな。そして次の五右衛門ロックも楽しみです!
犬山さんとかー池谷さんとかー松永さんとかー女優陣がとっても魅力的でした♪
男優陣も、みんな素晴らしかったです。

あーあとすごかったのが、舞台装置!2階建て構造は前に野田秀樹の舞台でも見たけど、すごいことを平気でやってしまうんだなーと。雪の降らせ方はもうちょっとなんとか・・・とは思ったけど。(2階から見てるとちょっと、ね(汗)

あ、そういえば劇場に入るときに、野田秀樹が入っていくのを見ました。コクーンのいつもの関係者席に座って、ちゃんとカーテンコールまでいらっしゃいましたー。
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by yopiko0412 | 2008-04-28 22:53 | 演劇  

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