『ドラクル』

2007/9/19-19:00開演 シアターコクーン

豪華布陣のこの公演、興味があったのは主演ではなく作・演出と主演以外の俳優だったりしましたが、色々面白かったです。




なによりも印象に残っているのは、舞台セットでしょうか。
開演前は紗幕に海外のオペラ劇場のような緞帳の映像を映し出し、上方にはグリーンの淡い妖しい光でタイトルが。そして開演するとそこは何もない真っ暗な空間!道が出現し、生演奏の弦楽器の不協和音を含む調べと山崎さんの語りで一気に物語に突入。
このセットと音楽と証明との合わさった導入がすごかった。弦楽器の生演奏は、このお芝居の雰囲気に非常にマッチしていて、素晴らしかったです。最近ストレートプレイでの生演奏を多く見かけますが、やっぱりいいですね~。

セットは、1幕は舞台を大きくとっぱらって湾曲した通路と、真中をまっすぐ通る通路、そこに左右から動くセットが出し入れされる仕組み。シアターコクーンの「なんでもできる」舞台機構が存分に。
2幕はシンプルな平らな舞台。左右に通路が伸びてるけど、基本的に舞台自体はあまり何もなく、少しの移動セットと証明なんかで場面転換。
全然違うタイプの舞台装置が、印象的でした。しかし1幕のごろごろ出し入れされる舞台は初めは面白かったけど、長く続くと転換がちょっとだるく感じてしまったのが残念(^^ゞ

ストーリーは元ドラキュラと彼と一緒に暮らす女性の、それぞれが抱えた過去への想いと贖罪、そして二人の愛。そこに彼らに様々な形で愛情をかける人々が絡み合っていく。
誰もが、誰かを愛していて、誰もがその愛のために過ちを犯し、嘘をつき、自分を偽り続けている。それらが徐々に顕わになっていくに連れ、浮かび上がる純粋な愛情、それが最後の二人がああいった形で愛を確かめ合い、愛に忠実になった、という意味である意味ハッピーエンド、なのかしら?

役者さんの使い方が不思議でした。ていうか、1幕だけの人とか2幕だけの人とか、普通にもったいなくないかしら・・・??あれあれと思ってる内にどんどん死んじゃうし(*_*;あの人出るはずなのに・・・と思ってる内に1幕終わっちゃうし(汗)

シュリンプさん(笑)
勝村さんのブログ見てるとこの呼び名がなんだかかわいらしくて♪
本性を現してからの、マントを翻しながらあの声で朗々と語る様子はさすがの存在感。でも、なんか台詞回しというか、語尾が不思議な「~~かぁ」とか「~~さぁ」となぜか上がり調子に抜けているような感じがどうにも合わなくて・・・あれ演出なのか、彼の演技がそうなのかわかりませんが、気になって仕方なかった(^^ゞ

宮沢りえさん
最初リースだと思ってたらリリスだったのが、2幕の勝村さんの台詞で自分的に確定しました(汗)いや、その前にも「あれ?リースなの?リリスなの?」て思ってたけど、確信を持てたのは勝村さんの台詞で。素敵な滑舌です(苦笑)
儚げな線の細い印象はある意味想定の範囲内、でしたが、2幕で過去の自分を語ったシーンはどんどん迫ってくるものがありました。リリスは、自分がわが子を殺した罪を、子供を殺し続けるレイを止め、一緒に祈ることで償おうとしたんでしょうけれど、初めはレイを利用しようとしてたということで、それはそれで彼女の中でまた自分を責める罪になったんじゃないかな。

勝村政信さん
1幕で全然出てこなくてびっくりしました(笑)気の小さい領主、自分で何も決められない、リリスを愛してはいたのに、その愛を自分からぶち壊してしまった、その上今度はリリスに会いたくて仕方がない。なんだかアダムの本心とか背景の描かれ方が薄かったせいで、あまりいい印象が持てない。というか、2幕の登場人物の描かれ方って全体的に薄くないでしょうか・・・。
アダムの抱える葛藤とか、もどかしさとかを表現する佇まいは素晴らしく、役柄的に全然いい印象が持てるはずはないのに、なぜかこの役に哀れを感じてしまいました。これは狙い通りなのかしら?

永作博美さん
こちらも2幕のみ、だからもったいない・・・。
エヴァの心境も、途中まではリリスに嫉妬していることは明白です。で、司教とのやり取りとか、途中までは単なる策略家だと思ってたら、リリスの告白で司教の行いがすべてわかって。だからそこでいきなり立ち位置が変わってしまうんですが、そこも唐突過ぎてた気もします。2幕の登場人物の掘り下げが浅いのがやっぱり・・・。
悪女っぽいしゃべり方が結構ステレオタイプな演技だったんですが、それももしかしたらエヴァが強がって悪女役を演じていた、とも取れるなあ、と思ってます。

山崎一さん
冒頭の導入もそうですし、途中途中に出てきての説明や、レイとのやり取り、一気に空気を作るその存在感はさすがでした。少しコミカルな動きもあるけれど、それもくどくなく、いいスパイスだったなあ、と。

山本亨さん、明星真由美さん
ドラキュラコンビ。強烈なインパクトとキャラクターでした!が、あっさり二人とも殺されちゃったので1幕のみ。・・・もったいない。

渡辺哲さん
こちらも1幕オンリー。胡散臭いなあと思ってたらやっぱり(笑)患者であるリリスを愛する余り、彼女を連れ出すために毒を盛ってしまう医者。しかもそれをドラキュラコンビに見つかって逆に脅された上に、レイにも告白してしまう辺りはやっぱり完全な悪役ではない、んでしょうね。
だからか、なんとなく哀愁漂う感じがしたのは渡辺さんの味でしょうか。

手塚とおるさん、市川しんぺーさん
司教は結局何をしたかったんだろう・・・単なる好色なのか、さらにそこに「自分の子供を領主に」という野望が強かったのか。それこそ、司教はアダムに子供を作ることができないことを知ってたのか?!と思ってしまうけれど、あまり言及されず。最後は結局自分の思い通りにしたけど。
キャラはインパクトあったけど、話の筋の中で消化しきれてないかなあ?
ラームはこれまた謎の存在でしたが。忠実なのか、単に凶暴なだけなのか・・・??

中山祐一朗さん
1幕2幕少しずつ。アダムの命でリリスを迎えに来た使者。いい人だったけど、最後はドラキュラに変貌。あの声としゃべり方のせいなのか、なんかこの人が演るとどこかしら「可笑しさ」が漂うのは特有の個性ですねー。
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by yopiko0412 | 2007-10-08 19:27 | 演劇  

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