地球ゴージャスプロデュース公演Vol.9『ささやき色のあの日たち』

2007/8/18-18:00開演 シアターコクーン

寺脇さんが出ない、最近では規模が比較的小さい、発表後に役者が降板した、などちょっと珍しい要素を持ったゴージャスの公演。
でも相変わらず笑いもあり、シリアスもあり、歌もダンスも殺陣もあり、のてんこ盛りな2時間でした。あ、時間も比較的短いですね、1幕2時間でコンパクト。




舞台は、どこともしれない幻想的な空間、そこに突然現れた2人の男はそれぞれに自分の人生を語り合う。初めはばらばらだった彼らの人生だが、ある女性が彼らを結び付けていたことに気付く。同じ女性なのに、2人の男から語られる彼女は、まるで別の人間のようだったが・・・。
うん、ちょっとファンタジックでもあり、ノスタルジーもあり、最後はそれぞれ2人とも、自分に見えていなかったものがあることに気付き、そして人生を再び歩み出した、ことがわかるような構成。

本当に、初めはあまりにも話しがばらばらで、全てが唐突で、飛びまくっていて、正直頭の中は「?」がいっぱい。一番驚いたのは、いきなりセット向こうからバンドが現れてガンガンのロック・大音量が飛び出したところでしょうか。それまで、なんでコクーンでヘッドセット使ってるんだろう?と不思議で仕方なかったんですが、納得。でも、どうせなら芝居部分は生声でも良かったのでは?バランス悪いからダメかしら・・・。
で、ばらばらだった物語が、徐々に一本に紡がれてみると、あーなるほど、というすっきり感と共に、それぞれの物語が、心情が、大きく動き始めます。ここからは一気に進んでいくのですが、いかんせん、そこまでがちょっと長い気が・・・。ま、前半の山場はジャック・と豆の木(笑)の父とのエピソードでしょうか。ここは、北村さんの心情がぐいぐい伝わってきて、うるっときました。
二人が、色々な事に気付いたあとの、描き方もシュールでしたね。年月が経って、それぞれの妻がそれぞれの思い出を語る中で、彼らがその後どんな人生を歩んだのか、答えはほとんどわかってくる、という。
そういえば、前半に、タカビーで最悪な女性が言われて嬉しかった「君は君のままでいい」という言葉、これについて熱く語ったジャック・と豆の木が、最後にゆりに出会って、ゆりが、自分は彼が思うような女ではない、もっと知らない部分がある、と訴えた場面。そこでその台詞を言うのかと思ったんですけど・・・言わなかった。これ、言わせちゃダメでしたか?それはそれで面白いと思うんですけどね~そういうの好きなので(笑)
で、最後のカラフルな大合唱はこれまたナゾな感じだったんですが・・・あの花束も、どうかすると毒の花みたいでしたよ(笑)で、上手端っこにUFOと思しき物体が上下してましたが・・・あれは冒頭のやり取りでのUFOなんか信じない!ていうあれをそこで引っ張ってきたわけですよね。でも特に何にも触れないけど・・・そこ繋がらせるなら、やっぱり「君は君のまま~」をつなげた方がいいと思うんですが~。

えと、あとはなんだろう。殺陣、がですね、まあSEが入ってたり、面白いんですけど、なんか新感線の殺陣を見慣れちゃってると甘いというか、ちゃちく見えるというか・・・うーん、ハードル高いですかね?岸谷さんの動きのキレはさすがですし、北村さんはほとんどやってなかったですが(笑)
セットの盆の使い方は、去年のコマ劇での使い方を彷彿とさせられました。なんか似てる。でもセットチェンジが常に盆で、まったりしてるし変えてるの見えてるし、ちょっとメリハリが欲しかったかなあ。あと、バンドが乗ってる台?が結構安定感がなくて、大丈夫か?!と心配になっちゃいました(汗)

役者さんについても少しだけ。
北村さん、最近良く舞台出演されますね、次も菜津子さんと共演!ですし。見目はとてもよろしいので、滑舌がいいと聞きやすかったかな。コメディな演技も岸谷さんとの丁々発止に頑張って足し、シリアス演技については、さすがに培ってきたものが出てましたが、ダンスとか歌とか、大変そうでした(笑)
山口嬢は、前に『白夜の女騎士』で観た時は特に可もなく不可もなく・・・ていうか印象に残ってませんでしたが(あれはキューの破壊力の方が逆に印象に・・・汗)今回は当て書きっぽくもあり、歌もあんなに歌えるとは思ってなかったので、逆にいい意味で裏切られた感じです。はまればはまるんですね、きっと。
須藤理沙さんは、産後初らしいですが、図太い明るい女性をはっちゃけてやってたのが面白かった。歌と踊り(動き?)はなんかぎくしゃくしてましたけど・・・。

これ、きっと降板したあの方だった場合と、設定が変わってると思います。ていうか、当初は「世界にたった一人君臨する女と二人の男」だったはずだから、かなり書き換えたんだろうな、と。まあ、そういう意味では、岸谷さんが自分で考えて書いて演出するからこそ、当て書きだし、設定の変更も可能だったんだろう、と。だから、降板後の二人の女優さんにも無理のない、というかちゃんとそれぞれに合ってるものになったので、岸谷さんの手腕が見えました。
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by yopiko0412 | 2007-08-28 01:29 | 演劇  

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