演劇集団キャラメルボックス『まつさをな』

2007/4/26-19:30開演 池袋サンシャイン劇場

この前の『サボテンの花』では「うーん・・・」て感じでしたが、やっぱりこういうのはうまく作ってきますね~。「女版TRUTH」と銘打ってるだけあって、確かに随所にTRUTHを思い起こすものがあったんですけど、そしてあちこち突っ込みたかったり、わかりにくかったり、穴があったりもするんだけど、それらを気にさせない「何か」があるから、いいもの観た、と思ってしまうんですよね。
これだから観劇ってつくづく不思議だなぁ・・・。




千鶴:温井摩耶
元武家の娘で、旅芸人の一座で育った女剣士、亡くなった家老の娘にそっくりだったため、家老の養女となり、義理の兄である啓一郎に想いをよせ、幸せを手にしたが、藩の陰謀に巻き込まれ・・・。
初主役、てことでしたが、まっすぐな性格の女剣士、庶民的な人、てことでとっても好感のもてるお役だったので良かったです(笑)
いや、でもこの人がまっすぐであればある程、周りの人の色んな想いが伝わってくるのと、だからこそ静馬に「家老がいなくなればいいと思ったんだろう」と言われた時、自分の中にその気持ちが全くなかったとはいえなかったことが自分で許せなくて、否定もできず、家を飛び出してしまった、という流れがきれいにいったわけだと思います。
青柳気の面々との距離の変化とか、なんかほのぼのしてて良かったですね~。
それにしても、静馬への疑いについての千鶴への信頼感の無さがすごかったですけどね。
カーテンコールの最後のご挨拶が、温井さんでしたが、ちょっとたどたどしい感じで初々しかったです♪周りの面々も「大丈夫大丈夫!」と一生懸命応援しててほっこりしました(^o^)

青柳啓一郎:岡田達也
千鶴を旅一座で見かけて父に紹介した。亡くなった姉にそっくりであるだけでなく、千鶴に惹かれる。けど藩の内紛、幼馴染のいざこざの中では千鶴の主張を信じることができず・・・そして親友だと思っていた静馬の本心を知る由もなかった。
口数少ないおぼっちゃま。なんていうか、実直さはわかるけど、あんまりインパクトがなかったですかね~。まあやりどころのない役だったかもしれないけど・・・。でも冒頭のモノローグがなんだか「かあさん、僕の麦わら帽子、どこへいったんでしょうか」みたいな感じで笑えました(笑)

宇佐美静馬:大内厚雄
啓一郎の幼馴染、啓一郎とは身分がかなり違うが、剣の腕は確か。千鶴のことを認めようとせず、また藩の内紛の際には率先して追跡しようとするが、千鶴からは疑われる。千鶴からの疑いをひたすらはぐらかしてきたが、彼の本当の心は妹の春衣さえ知らなかった・・・。
TRUTHの鏡吾、ですかね。子供の時からずっと一緒にいたからこそ、屈折した想いが芽生えてしまったのかもしれない。境遇の違いを感じながら、でも何もなかった時は、ただ単に自分が頑張ればいつか、と思えていたのかもしれないけど・・・でもきえさんのことがあって、その身分の違いを嫌というほど身に沁みてきたのかな。そしてきえさんが亡くなったことで、いよいよ身分制度への、世間への、そして一番身近な「上の身分」の啓一郎への憎しみを募らせてしまった。
そこへつけこんだのが藩の内紛の首謀者。静馬を取り込むのには「報酬」を見せつける必要はなくて、「逆らったらどうなるか」を示唆する、それだけで彼はもう自分の意思に関係なく、何の見返りもない、何の保証もない事柄に関わらなくてはならなくなる。そんな実感も、彼には屈辱だっただろうな。
でも一つ、彼の人間性でぶれていないところがあるとしたら、春衣さんの存在。確かに身分の違いはひしひしと感じてはいる、でも春衣にはそんなことを感じさせない、そして、彼女が身分の違いを乗り越えて鉄之助と結婚できることを願っていたのは静馬自身だったんじゃなかったのかな、と。
最後、彼の処遇は明らかにはされていないけれど、きっと命は救われ、彼も何かを見つけることができるんじゃないだろうか、もう一度、彼自身の人生を歩むことができるんじゃないだろうか、と思わずにいられません。
それにしても大内さんの演技はほんっと無駄もないし、一つ一つが丁寧です。千鶴のことに気付いている様子も表情だけで十分わかる、そしてあの豹変した時のどす黒い雰囲気。声も、表情も、まとっているオーラも、瞬時に切り替わってしまうから、説得力がすごいです。

青柳徳右衛門:粟根まこと
藩の家老で、啓一郎の父。愛する妻のために千鶴を養女に取り、娘のように扱う。藩の行く末を案じながら、なんとか内紛だけは避けたい。
登場からして飛ばしてました、粟根さん(笑)無駄な跳躍とか無駄な大声とかツーステップとか、イキイキとしてて楽しそう(^o^)そして坂口さんとのバカップルぶりが面白くて仕方なかったですね~。坂口さんも楽しそうだったし♪
そして新感線だけでなく、こちらでも「目つきが悪い」だのなんだの、言われ放題で(爆)

鉄之助&春衣カップルは、なかなか良かったんじゃないでしょうか。珍しく三浦さんがモテてた(笑)實川さんはなんか『俺たちは志士じゃない』と被りましたが(^^ゞ
それにしても、あれほど身分違いで結婚を反対されてたのに、実の兄があんな大罪で捕まったのに、よく鉄之助の家はその後でも春衣との結婚を許してくれたんでしょうかね~そこまで家老のパワーが効くの?

青柳気の面々もいいチームでした。坂口さんのああいう感じってうまいですよね、いい母であり、いい妻である、というのが無理なくて、いいなーと。そして岡内さん、佐東さんとのどたばたやりとりがまた面白かった。しかし岡内さんのセリフ回しってなんかいつも似てますよね・・・。

旅芸人一座だと、親方の筒井さんがいい味出してました。やってることは酷そうに見えるけど、千鶴のことを大事にするからこそ、の言動が一貫してました。そして老け役がお似合いでした(笑)

まあ内紛の話の流れが後半にもってきてて速すぎてわかりにくかったのとか、解決が見えないのとか、あと静馬のことを信じ切っていた、千鶴が何をいおうと信じなかった人たちが、いきなり意見を変えたあたりがもうちょっと流れが欲しかったな、と思ったりもしましたが・・・。そういうのも「アリ」だと思わせてくれるモノだったので、私は満足でした。
しかしサボテンの後は「観るもの選ばないと」と思ったけど、どういう基準で決めたらいいのかわからなくなりますね・・・だって夏の公演は興味なかったけど、やっぱり大内さん出るし、と思うと困ってしまいますもん(^_^;)
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by yopiko0412 | 2007-05-05 22:29 | 演劇  

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