『オレステス』

2006/9/14-19:00開演 シアターコクーン

蜷川さん演出で藤原竜也くんがタイトルロール、題材はギリシャ悲劇、共演者も常連のおじさま(笑)あり、若手の北村さんあり、てことで楽しみだった舞台。

大竹しのぶさんがタイトルロールを演った『エレクトラ』と登場人物がかぶるというか、時系列的に話が繋がってるらしい、とか、舞台に雨が降るらしい、とかの予備知識(にもなってないな、これじゃ(汗)だけで観に行き、色んな意味で、「あーなるほど」と思ったし、蜷川さんらしさも全開だったなあ、と思いました。



神々と人間とが共存する世界で、愛憎と権力欲を発端とした悲劇の連鎖が続いている。その連鎖の中で、オレステスと姉エレクトラは、愛人を作って立派な父を死に至らしめた実の母を恨み、太陽神アポロンのお告げにより、実の母を殺した。復讐は叶ったが、「実の母殺し」の罪は重くのしかかり、オレステスは正気を失い、町の人々は二人を処刑しようとしている。
復讐を指示したアポロンすら助けに来ない状況で、エレクトラとオレステスは最後の頼みの綱である叔父の帰還を待ちわびていた。彼らが殺した母の妹ヘレネ(これも悪女!)の夫で、彼らの父に厚い恩を抱いている、人望のあるこの将軍ならば、自分達の命を助けてくれるのではないかと期待して。
しかし、そんな叔父も、二人の話を聞いてはくれたが、やはり体面上、二人の味方にはなってくれなかった。
絶望した二人は、オレステスの親友ピュラデュスと共に、叔父に復讐し、あわよくば生き残る道を目指し、ヘレネを襲い、娘を人質に叔父を脅すが・・・。

ギリシャ悲劇、です。『メディア』もそうでしたが、コロスたちって独特です。あと、ギリシャ神話を思い返したら、ちょっと「こういうものなのか」と思いました。そういえば昔読んだギリシャ神話でも、神様はたくさんいて、しかも結構普通に人間と共存してて、人間と神が口をきき、人間と神が結婚したり、人間だった人が神に生まれ変わっちゃったり、そんな風に、神と人間の境界線が低かったような印象があって。今回の舞台でも、冒頭、エレクトラが延々とこれまでの系譜と経緯を述べる中に、普通に神と人間が混じってたし、ラストはあれですしね(汗)

ストーリーというよりも、登場人物たちの状況と会話のやり取りを感じるものかなあと思いました。ストーリーを深く考えようとしても到底根本的な要素が不足してるので・・・。
それにしても、蜷川さんの最近の演出は色々凝ってるというか、だんだん食傷気味にもなりかねない気もするんだけれど・・・あの雨は、音響効果として「台詞をかき消してる」時点で間違ってると思います。台詞劇にも関わらず台詞が聞こえないってつらいんですよね。しかもどの出演者もみんな滔々と説明を述べるし、ひたすら嘆いたり人をなじったりの連続なので、集中力が切れて雨音に台詞も消されるとあっという間に置いてけぼりになります。

役者さんはそれぞれ身体も張っての大熱演。
藤原君は声がこもってるようにも感じたのですが、ああいう演技、てことでしょうか。
今回きらりと光ったのは、ピュラデュスの北村さんと、二人の処刑方法が決まったことを伝えに来た報告者の老人を演じた方。
お二人とも声がよく響き、しかも説明台詞にも緩急抑揚がはっきりついていてとても伝わってくるものがありました。特に報告者ってギリシャ悲劇では良く登場するようですが、ある一場面で、まさに「報告」をするわけで、声だけで、そこにはない情景を思い起こさせる演技をする、というある意味役者の真髄が問われる役なんだと思いますが、今回はどんぴしゃでした。
北村さんは動きもきびきびと美しいし、色々な舞台で見る度に印象に残るなあ。

最後のチラシ束については、あんまり細かいことは言いません。
・・・が、量が多すぎでした(爆)
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by yopiko0412 | 2006-10-04 21:37 | 演劇  

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