『魔界転生』

2006/9/12-18:30開演 新橋演舞場

山田風太郎原作の舞台化、演出はG2で柳生十兵衛を中村橋之助が演じ、成宮寛貴・西岡徳馬・升毅・陰山泰・内田滋・福田転球(順不同、個人的抽出、敬称略)が出演、てことで、告知時点から結構楽しみにしていた舞台。ちなみに原作は未読です。迷ったんですけどね。これ、ほんと永遠の課題というか、悩みというか・・・。

チラシのビジュアルなんかもかっこいいし、ざっと眺めたあらすじというか設定も、「新感線か?!」と思ったりもしたので余計にそういう期待が膨らんだのかも。ちょうどネタ的には吉原御免状やSHIROHと登場人物が被るし。歌舞伎役者で、ていうのも、「新感染」を連想するに容易い。
ちなみに直前にWOWOWのプルミエールで、G2が「レーザーとか特効とかで派手にはしない」なんて言ってたので「同じことやっても新感線と比較されるだけだしね」とも思ってたんですが。



あらすじ。
島原の乱で敗れた天草四郎は、3万7千の犠牲を嘆き、幕府を倒す為、「魔界転生」という秘術でこの世に転生する。この術はこの世に強い未練を残したものだけが可能な術で、四郎は幕府転覆のため、宝蔵院胤舜や荒木又右衛門、宮本武蔵をも甦らせ、魔界衆として従える。四郎は紀州藩主に近づき、幕府への復讐の下地を整えるが、紀州藩の危機を知った柳生十兵衛は、道場の弟子7人(柳生7人衆)と、謎の女と共に魔界衆を倒し、紀州藩を救うために紀州藩へ乗り込んでいく。
その十兵衛をも、魔界衆として引き入れたい天草四郎は十兵衛の父、柳生但馬守までも転生させ、十兵衛に襲い掛かる・・・。

十兵衛のキャラが、その辺にいそうなおじさんでした(笑)設定ではいくつの設定なんでしょう?弟子たちから慕われる人間味を出したい、てことだったのでそういう意味ではいいんでしょうが、飄々としたおやじかと思ったら突然真面目モードになったり、ものすごい千里眼だったりしたのが「はて?」という印象だったかな。紀州藩にあそこまで拘る理由も分からなかった・・・。
でもなんといっても柳生7人衆と子役の子のみなさんがなかなかのキャラを発揮してて良かったかも。あぁ、だからこそ、彼らに慕われる十兵衛のその「慕われる」本質がもっと前面に出て欲しかったのかもしれない。それにしても、彼らをもっと活躍させて欲しかった・・・。蔭山さんなんて一番信頼されてるのに一番にやられちゃった!!(涙)でもちゃんと、お化けで再登場してくれましたけどね♪あの地図解説の場面は土地勘のない人、話が見え難くなってるところにちょうどよく、遊び心もあって、そこらへんはG2らしさかな~と。

色々、面白いところもあり、設定とか好きだし、だったんですが、なんかぐーっと入り込めなかった。
ちょっと物足りなかったのは、魔界衆側がそれほど魔界っぽくなかったというか。四郎の成宮くんは、アヤカシの者の妖しさを表現しようとしてたんでしょうが、なんとなくオカマちゃんの妖しさに見えて・・・妙にしなをつくった動きと、裏返る声、あれじゃー歌舞伎の女形をやろうとして失敗した人みたいだった(汗)もうちょっとほんとにおぞましいアヤカシの者でないと、迫力が足りない。
全体的にチープ感が漂ってたのも、迫力不足。魔界衆の転生の場面とか、女から突き破って出てくる場面とか、四郎の技(髪の毛で縛るやつ)も、なんかチープ(汗)襖に映った影は、もっと妖気を醸し出すとかしないと普通すぎたし、女の衣で隠して入れ替わってるのばればれだし、あの髪の毛に至ってはあまりにチープで全然すごい技に見えない!!
セットも色々変わる割りに、そこまで大転換はしなかった印象。あの鐘が落ちるシーンももっと迫力欲しかったですが・・・。

ものすごい剣豪勢ぞろいなんですが、殺陣も歌舞伎っぽい感じで、ほんとに刀を合わせる手は少なかったです。附け打ちさんがもう、ずーっと、ずーっと、附け打ってましたから(笑)だから、見てるといつやられたのか分かりづらかった。
プラス、十兵衛のすごさも、台詞ではすごいすごいと言ってるけど視覚的には表現されてなかったのと、柳生但馬守との勝負が一つの山場なんでしょうが、なんとそこらへん眠くて眠くて辛かったのです・・・。その前の荒木又右衛門の場面から、ちょうどお腹もいっぱい(汗)で、台詞も長いし殺陣は短くてゆったりしてるしで、後半の盛り上がりに乗り遅れた感じでした。「俺の顔を見るな~!」とかほんとはぐっとくるところでしょうけれど、今ひとつ・・・。

あと、女性陣がなんだか目立たなかったですが、膨大な原作をコンパクトにしちゃったためでしょうか・・・お品が十兵衛に惚れたのは命を救われたから、てだけじゃ「うーん?」だし、お品と四郎の関係も意味ありげだけど描かれて無いし、お銭が裏切っちゃう過程も唐突極まりない!お銭と宮本武蔵が結託するのも唐突・・・。お縫の描き方も、十兵衛に惚れてるようで、十兵衛もまんざらでもないようで、でもこれといったエピソード無し。
ちなみに女性陣、名前呼ばれないと、誰が誰だか区別つきませんでした(汗)てことはキャラが立ってなかったってことかなあ、とも。

色々面白くなる要素はあるのに、どこもかしこももったいない!惜しい!と感じてしまいました。そしてどうせならいのうえ歌舞伎で観てみたい、とも。ま、これは個人的な贔屓ベクトルが働いてますが。
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by yopiko0412 | 2006-09-23 00:56 | 演劇  

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