東野圭吾『白夜行』

ドラマの白夜行に衝撃を受け、原作を読みました。
一番の感想は、「ドラマを見る前に読みたかった・・・!!」てこと。だって、完全に種明かしがされた状態で読むので、雪穂と亮司の行動を継ぎ接ぎで描写し、いつの間にか絡み合う、という手法の、どきどき感とか、「あぁ、そうだったのか!」みたいな感覚が全く味わえなかったのが、本当に残念で・・・。きっと、いきなりこれを読んだら、それを踏まえた上で絶対すぐまた読み返したくなるんだろうなあ、と思う。
あと、登場人物の描写もされているけれど、自分で想像するよりも前にドラマでの出演者の印象が出てきてしまうのも、ちょっと残念。雪穂と亮司の心理描写も、一切されていないこの小説では、読者の想像力を大いに掻き立てるんだろうなあ。

とはいえ、原作を読むと、ドラマがいかに巧く作られていたか、良く分かる。時代を現代に変えたのも、とてもよかったと思うし、登場人物やエピソードはほとんど同じだが、少しずつ削られたり小説での二人分の役割を一人に集約させてたり、という再構成の仕方も見事。
ラスト近くのエピソード、雪穂の再婚に関してはドラマでは全く触れていない。時間の関係だろうし、ちょっと冗長にも感じられるからかな。でも再婚相手の娘が自分に懐かないからといってその娘にまで地獄を味あわせるとは・・・ちょっとそこは雪穂が本当に恐くなって、若干後味の悪い感触もした。小説から入ったらそうは思わなかったのかしら?
そういう意味では、ドラマはやっぱり救いの無い中に救いがあった。松浦にも、弥生子ママにも、雪穂にも、亮司にも、そして笹垣にも。
この雪穂なら、『白夜行』の続編といわれている小説(『原夜』だそうです)があるのもわかるかも。だって、この雪穂は亮司がいなくても生きて行けそうだもん。『原夜』はますます雪穂が恐いらしいけど、読んでみようかなあ。

そうそう、また似たようなキャスティングで東野圭吾の小説『手紙』が映画化されるらしい。今度は先に小説を読んでおこう。
ここまで『時生』『宿命』『白夜行』と3作読んだけど、この人ってジャンルとか手法とかというよりも、最後の部分を書きたくて、ラストシーンありきで、そこに向かって小説を書いている感じだなあ、と思いました。いや、まあそれだけそういう構成をしているってことなんだけど。
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by yopiko0412 | 2006-06-24 02:42 | 読書  

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