『ハゲレット』

2006.3.18-14:00開演 紀伊国屋ホール

久々の観劇で、イイモノ観た~!という感じです。
チラシ観た瞬間に「これは絶対面白いよ!」という感じで観劇決定、だって「若ハゲが悩みのハムレット」だなんて、しかもあんなチラシ写真で、インパクト強すぎで~。でも、演出の山田和也さんがブログで「パロディーだと思われているかもしれないが、歴としたシェイクスピアのハムレットです」と断言していたので「?」だった。
・・・・・すいません、ほんとに歴としたハムレットでした。でも、でも、なんか笑えてかっこよくてバカでした!(ものすごい誉めてます!)

東京では残り少ないけど、まだ大阪にも行くのでネタバレ隠します。
でもこれから観る方に言っておきたいこと。
「なるべく早めに劇場に行き、席につくべき」
「パンフレットは開演前の劇場ロビーでは買わずに席につくべき」







なぜかというと、客席内の席案内、そして客席内での関連グッズの売り子さんを、衣装を着た役者さんがやってるから!
劇場に入った瞬間に目に飛び込んできたのは妙な格好をした大きな人(笑)一瞬立ち止まったら、席を聞かれて案内していただきました。あーびっくり。と思ったら舞台の上では弦楽器を持った役者さんが何やら歌ってるし、通路では役者さんが売り子をしてる!ノルマは40冊だったそうで、私も近くに来た役者さんから1冊お買い上げ。買うと「パンフレットお買い上げです~!」といい声で唱えて拍手してくださるのでおもしろい。
変な宣伝文句で売り歩いたり、役者さん同志でじゃれてたり、開演前にこんなに楽しいなんて♪
そして、開演時間には前説まで担当してくれます。いい声でいいテンポでボケツッコミしながらの前説、ここまでエンターテイメントを重視してるんだなーと始まる前から期待感アップ!

そして、開演。
実はちゃんとした(?)ハムレットを映画でも舞台でも観たことが無いのです。もちろんストーリーは知ってるけど。だから「いわゆるハムレット」との区別はできないけど、でも、他のシェイクスピア悲劇を思い返しても、こういう解釈はとっても新鮮で、そしてシェイクスピアを「高尚な古典」から「娯楽」にきっちり転化して、なおかつシェイクスピアの独特の台詞回しも大事に残ってる、そんな印象。

ハムレットは、悩み、考えることによって、まだ若いのにハゲている。それがまた悩みでもあるけれど、彼は悩むことを、考えることをやめようとはしない。そして貧しい民衆の良き理解者でありたい、愛する人と幸せな家庭を築き、冗談や駄洒落を言って楽しく暮らしたいという願いとは裏腹に、亡き父王から託された「復習」を実行するか、どうするか、悩み、考える。
悩み、考えるハムレットなんだけど、どうもその佇まいはへなへなだらだら。頭は薄くなり、恋人や家臣にまで目を背けられる始末。哀愁と愛嬌たっぷりの近藤さんの演技が、ハムレットへの愛着を沸かせます。

叔父であり父王の仇でもあるクローディアスと母ガートルード、この二人も初めはバカップルぶりを発揮!でもクローディアスは、先王を謀殺した罪が露見しそうになるとおろおろと慌ててハムレットを追放し、ガートルードはその事実を知ってか知らずか・・・でもハムレットに責められても悪びれることもなく「何が悪いの!」と。彼女は王妃になりたかったんじゃなく、愛されたかったんでしょうね、愛に生きてたんだろうな。クローディアスは王位とガートルード、両方欲しかったのか、王位の為にガートルードと結婚したのか、明確にはされてなかったけど、ガートルードへの接し方からすると、ちゃんと彼女のことを愛してたんだろうな、と感じられた。
ここらへん、「いわゆるハムレット」ではもっとみんな打算的なんだろうか??

そして、ある意味とっても美味しい役だと思われるのがホレイシオ。ハムレットに充実で、いつでも冷静で、そして一歩引いて世の中を見ている。だけど、最後に全てが明るみになり、片がついたところで、「意味が無い」と言ってあっさり死のうとするところなんて、想像外だったけど、良く考えたらなるほど、彼ならそう考えるかも、と思える。でも、ホレイシオのハムレットへの中世は絶対普遍だった。ハムレットのホレイシオへの信頼も絶対だった。この二人の関係性がとてもかっこよかった!
蜷川ハムレットではこの役を高橋洋さんが演られたとのこと、観たかった・・・。

そういえば、ちょっとハムレットとオフェーリアのカップルの悲劇がいまいち伝わってこなかった感があるかなあ。オフェーリアがハムレットをまた信じることにして「裏切らないでくださいね」という台詞を残したので、まだ何かあるのかと思ったら、いきなり父親を亡くしたショックで気が触れててそのつながりが良くわからなかった。オフェーリアが気が触れた理由とか背景とか、弱かったなあ。
でも、父の訃報を知り、戻ってきてそんなオフェーリアを見て愕然とする、レイアティーズの真っ直ぐな気持ちは、とてもストレートに伝わってきた。しかしレイアティーズ、正直者過ぎるというか、騙されやすいというか、それでフランス行ってたなんて、大丈夫か?と思ってしまいましたが(^-^;でもクローディアスの恐ろしい企みに加担することができず逡巡し、最後は自分がその餌食となってしまう彼はどこまでも誠実な真っ直ぐな青年だった。

あと、もう一人、愛すべきキャラだったのが、フォーティーンブラス!あれはきっともっとかっこいいんだよね?ほんのちょっとの出演だったけど、最後に出てきてからのホレイシオとのやり取りがあまりにバカっぽくてインパクト大☆えーと、あれにデンマークを任せていいんでしょうか、ハムレット様?

それにしてもハゲに悩むハムレットとか、バカップルとか、先王の亡霊とか、そしてラストの関係者全員の死に際とか、設定や見せ方が徹底的に娯楽寄りで、こういうシェイクスピア、もっとやって欲しいなあ、と思いました。
あれ?先王の亡霊は、声(?)がダースベーダーだったけど、あの人形もそうだったのかしら?席が遠くて人形の正体までは見えなかったんだけど・・・声と、あの演出だけで充分笑ったけどね(爆)

【追記】
そういえば、劇場にシアターテレビジョンのカメラが入ってました。私は見られないけれど・・・5月放送予定だそうです。あの開演前の場内や前説の様子まで撮ってるのかなあ?あれも演出の一部として、必要だと思うんだけど!
その上、DVDも発売が決定してるってすごくない?!これ、どちらかというと地味な部類に入ると思うんだけど・・・フジテレビ主催だから?

それから、また観劇環境が悪かったのがなぁ・・・(涙)今度は前の方の座高がやや高かったようで、席についた瞬間から「これじゃ舞台のど真ん中が全く見えない(汗)」と思ったほどで。劇場もそれほど段差が無いから、きつかった。
結局、終始前のめりになって、場面場面によって右から見たり左から見たり、非常に疲れる見方をしました。
背の高い人とか、ある程度自覚があるならば、できれば少し気にして欲しいな、と思いますね、あまり姿勢良くしない、とか・・・小さい人間にとっては特に致命的(爆)
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by yopiko0412 | 2006-03-19 23:43 | 演劇  

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