『間違いの喜劇』役者さんについて

2006/2/12-13:00開演 彩の国さいたま芸術劇場大ホール

この記事は、役者さんについて。前の記事はこちら
ちなみに、この演目を観ようと思った動機は、「蜷川」+「シェイクスピア」+「喜劇」+「高橋洋」だったんです(*^^*)




というわけで、召使ドローミオ兄弟役の高橋洋さんから(笑)
もう、冒頭のダンスの場面から、ドローミオを目で追ってたくらいで、いざ芝居に入った後も、シェイクスピア特有の台詞回しと、言葉遊びでひたすら出ずっぱり、喋りっぱなし、その上いわゆる「道化」の役だから、表情も、動きも、くるくる変化し、いつでもじっとしてない。これは本当に体力的にも、精神的にも疲れるんじゃないかと。
自分から仕掛けるよりも、はるかに受ける芝居が多い、仕掛けながら受け止めなければいけない。自分だけ上手くやればいいのではなく、きちんと相手の出方と自分の出方を計って演じ、そこに笑いを生むというのは、相当ハードル高いだろうなあ。その上、休憩時間無しだし(^-^;
双子のドローミオ兄弟が、帽子の色を変えることと、片方はズボンがきちんと履けていない、という視覚的な違いだけでなく、声色や態度でも、ちょっとずつ変化があるので、観客である私たちは舞台上の人々の混乱に巻き込まれ過ぎることなく、「あぁ、また間違ってるよ」と笑って観ることができる。ここはアンティフォラス役の小栗君にも共通するところで、この絶妙の演じ分けがなければこんなどたばたは成立しないわけで。
今まで悲劇でしか観てこなかったけれど、あんな風にわらったりとぼけたり、色々な表情や動きをしっかり堪能できました。こういう役ももっと観てみたいなあ。
ちなみに、あれだけの台詞量、ほぼ完璧だったけど、「警察」の説明台詞はなんだか2回言ってみてたような・・・失敗したんだよね?上手側の客席が妙に沸いてたので、そうなんでしょう(笑)

※追記
やっぱり間違ってた、というか、台詞が飛んでたそう!公式ブログの<高橋洋の今日のひとことVol.14>にご本人から告白(?)がありました。でもそれよりも「昨日は客席が今までの中で一番ホットでした」という言葉ににんまり♪
※追記終わり

そうそう、ろくでなしの日々の猫右衛門さんが、『間違いの喜劇』を見てきたー。にて高橋洋さんの役割について、とても簡潔に表現されていたのをふむふむと頷いて読みました。
野村萬斎さんが同じ題材を狂言で演られた『間違いの狂言』は興味はあったものの未見だったのですが、両方を観られた猫右衛門さんだからこそ、の両方を比較して感じた「道化」の役割の見解に「なるほど!」と思いました。

そして、ドローミオの主人、アンティフォラス兄弟役の小栗くんは、『偶然の音楽』でも観たけど、背も高いし立ち姿もキレイで、線は細いような印象なのに、舞台映えするなあ。特に今回の王子っぽさ満載の衣装が余計にいいのかもしれないけど(爆)
こちらも、双子の2役、マントの色が違うだけだけど、やっぱりその態度にはきちんと人格の違いが現れていて、結構「オレ様」な兄と、「育ちの良さそうな」弟の構図が面白かった。兄は勝手知ったる自分の町なのに対して、弟は見知らぬ土地なのに自分のことを知られていることに怯えているわけで、その態度の違いは明確でなければいけない。
ちょっと台詞を噛むことが多かったのが残念なのと、声を張ってるなあ、と感じてしまったかな。パンフを読むと、発声から変えていった、てことなので、これからまだまだ変わるんだろうか。

アンティフォラスとドローミオ、並ぶと背の高さに違いがあって、またそれがでこぼこコンビみたいでぴったりはまってた気がする(笑)ほんと、出ずっぱりのお二人に拍手!

アンティフォラス兄の奥さん、エイドリアーナ役の内田滋さんは、壊れてたなぁ(笑)ヒステリックで、でもそれは夫への想いがあるからこそで、どんどんエスカレートするエイドリアーナの感情がうるさすぎることも無く、なんかかわいくすら見えてくる♪
そして、この役を女性でなく男性がやっていることで、ふとした瞬間に覗く「男性」らしさ、声だったり仕草だったりの効果が絶大!ヒステリックのはずみで喋りが「男」になり、我に返って「女」に戻ってみたり、たっぷりした裾のスカートをたくしあげて舞台から飛び降りてみたり、男女自在(笑)の演技は見てて面白い。これ、ヒステリックな女性を女性が演ると、下手するとうるさくなったかもしれないな~。
途中、ハプニングと思われたのは、ヒステリーで散々暴れたため、スカートのフープを踏んずけてしまったこと。こちらからよく見えていて、御本人が気付いていないからはらはらしていたら、歩き出したところで気付いて「んも~!何よこれ!」と憤慨されてた(笑)
あとは、客席からの登場で、舞台上にいる夫(実はアンティフォラス弟)を呼ぶために必死で ハンカチを振ってた時、そのハンカチが勢い余って客席へ!「あら~すいません」なんていいながらお客さんからハンカチ受け取ってましたが、あれは計算?わからない・・・。

エイドリアーナの妹で、アンティフォラス弟に一目惚れされるルシアーナ役の月川さん。とっても細いし華奢だし、美しかった~!男性、なんだけどね(汗)ラストのダンスシーンも、すごくキレイな動きで、小栗(兄)も上手かったので、この時の視線はこっちだったな。ただ、声がちょっと聞こえにくかったのが残念。常に冷静な喋り口調だから、周りが声張って喋ってるとかき消されちゃうし、笑い声にもかき消されちゃって、もったいない。

パンフレットを捲っていて、「小栗了」という名前に「あれ?」と思ったら、やはり小栗君のお兄さん。目の感じとか、ちょっと似てる感じだなあと思っていたら、ラストの2役揃った場面での登場!まあさすがにそれほど似てはいなかったけど、立ち姿の美しさはばっちりでした。最後のダンスの所作がとても滑らかで美しかったので、ここは兄に軍配、だったかな☆
2役の時は、腹話術で喋る相手に合わせて口パクしなくちゃいけなくて、これはこれで大変だったろうと思います。

男女を最大限に活かしてたと思うのは、金細工師役の方。ちょっとオカマちゃんに見えなくも無かったけど、妙にインパクトのある金細工師だったなあ(笑)

そして、アンティフォラス双子の両親は、短い出演時間だけどこちらも印象強かった!
母エミリア(尼僧院長になっていた)の鶴見辰吾さんは、登場はシスターの出で立ち。これが、出てきた途端、妙に笑えた(爆)あんまり女性声を意識していないのは、威厳ある尼僧院長だから、敢えてそうしたのかしら?アンティフォラス弟を匿っているのは自分の息子だとわかってたからかと思ってたら、違ったのね。それにしても、最後のドレス姿がごつかった(汗)

父イジーオス(敵対国から入国した罪で死罪になるところだった)は吉田鋼太郎さん、蜷川さんの舞台でよく見ますが、相変わらずの存在感。喜劇を観に来たのに、冒頭の語りはまるで悲劇かのような錯覚さえ覚えるほどの慟哭を見せ付けられました。ここ、圧巻~!最後はアンティフォラス兄を弟と勘違いして最後の「間違い」を引き受ける役目で、エミリアとの対面場面は涙涙のシーンでした。
が、泣きながら抱き合って再会を喜ぶ場面でも、やはりエミリアがごつかった(再び・・・爆)


キャストについてはこのくらいで。
あと、今回初めて行ったさいたま芸術劇場、チケット取るときは一瞬あまりの遠さに躊躇しかけた(汗)んですが、まあ遠いけど、綺麗だし居心地のいい劇場だったと思います。でも、本気で周りに何も無いので終演後に落ち着く、なんてことができないのは残念だなあ。

今回も、チラシ束が色々と。
『白夜の女騎士』はまだ第1弾仮チラシのもの。疑問の浮かぶ出演者もあるけれど、気になる出演者(勝村さん、洋さん、杉本さんなど)もいるし、やっぱり観たいなあ。
『OUR HOUSE』の本チラシも実物は初めてもらったかも。
『父帰る』&『屋上の狂人』も動員客数の少なさの割りに見開きのしっかりしたチラシ。主演がジャニーズさんなのにちゃんと写真があった(驚)他のジャニーズさん(演舞場とかあと一つあったな、あれ何だっけ?)は名前だけなのにねえ。
そして、目の前のお客さんのチラシ束には『HUMANITY』の見開きチラシが入っていたのに、私のには入ってなかった・・・あぁぁ(涙)次の世田谷パブリックに果たして入っているといいんだけど・・・。世田谷パブリックでは、他にも気になるチラシが入っているらしく、また楽しみです♪
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by yopiko0412 | 2006-02-14 17:22 | 演劇  

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