『スケリグ~肩甲骨は翼のなごり』

2005/12/25-14:00開演 スフィアメックス

あまり気の進まない引越しをしてある家にやってきた少年マイケルは、崩れかかりのガレージの奥に隠れて潜む生き物を見つけた。早産で生まれた妹が生死の境を彷徨う中、どこか孤独を感じていたマイケルは、近所に住むミナという少女と仲良くなる。ミナは学校へは行かず、家で教育を受けているが、知識が豊富で、柔軟な性格で、マイケルをぐいぐい引っ張る。ミナはマイケルに野生のふくろうが現われる秘密の部屋を教える。マイケルはミナにガレージの奥に潜む生き物を教えた。そして二人はその生き物を秘密の部屋へ移動して面倒を見る。彼には翼があった、彼は「スケリグ」と名乗った。次第に元気を取り戻すスケリグ、彼が何者なのか、誰にもわからない・・・。




ダンサーという認識しかなかった森山開次さんの初ストレートプレイ、ということくらいしか知らずに観に行きました。
前半こそ、その特性を封印するかのように「ほとんど身動きしない」スケリグですが、1幕ラストでその翼を顕した場面以降、身体能力を活かした表現方法で、見事に「翼のある生き物」になっていた、さすがです。特に、やはり初めてその全貌が明らかになった場面は、ぎこちなく羽根を伸ばすかのように動かした腕と、これでもかというくらいに無駄を排除した身体と、効果的な照明で幻想的な場面になってました。

このスケリグ、結局「何者なのか」の答えはないんだけれど、やっぱり天使、なんでしょうか。それはともかく、色々想像しちゃいました。彼は始め、ひっそりと身を潜め、「俺はリュウマチだ」といっていたけれど、後半秘密の部屋で次第に身体の動きを取り戻していた。彼は本当にリュウマチだったわけではなく、その姿で人間世界で生きていくことが不可能で、阻害されて、人から身を隠していた、そのため身体の自由が利かなくなってしまった。彼にとって身体の自由が利かない状態を表現する言葉は、あの家に以前住んでいたおじいさんが言っていた「リュウマチ」とう言葉だけだったんじゃないか。だから、マイケルが必死にリュウマチの治療方法を聞いてそれを施してあげてたけど、実際本当のリュウマチだったわけじゃないから、二人によって自由に動ける世界を得た彼は徐々に身体の自由を取り戻していったんじゃないか。

そしてマイケルは劇中では直接的な言葉はなかったけれど、スケリグを天使だと信じていて、彼に妹を救って欲しかった。スケリグにお願いしに行く場面で、マイケルがスケリグにかけた言葉、「あなたは恐がってるだけだ」ていうのは、やっぱり人間とのかかわりを恐がっているスケリグ、てことなんでしょうね。そんな彼も、マイケルとミナと関わることで人間を信じることができたんじゃないかと、だからマイケルの妹を助けたんじゃないか。
ラスト、スケリグがどこかへ行ってしまったのか、それともまた帰ってくるのかわからないけれど、スケリグも、マイケルも、ミナも、お互い心が通じ合ってるから、どちらでもいいな、と思いました。

ちなみに、マイケルとミナはかなりの出ずっぱり状態でしたが、なかなか好演でした♪
マイケルは東海孝之助くん、ちょっと滑舌が心配な部分もありましたが、心に寂しさをもった真っ直ぐな少年らしさが良かった。
ミナは保泉沙耶さん、おとなっぽいような、少女のような、ちょっとアンバランスな雰囲気がミナ役と良くマッチしてました。
二人とも、表情が生き生きしてて(特にミナ)、舞台に明るさをプラスしてたなあ。
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by yopiko0412 | 2005-12-31 02:38 | 演劇  

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