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『ジキル&ハイド』

2005/12/6-18:30開演 日生劇場

2003年にこのミュージカルを観て、感激したことが忘れられず、再演が決まったときから楽しみだったミュージカル♪
ただし、初めて2階のB席で観劇しました。いや、だって前と同じ演目だし、あの時も鹿賀さんとマルシアの歌声に感激したわけで、エマも変わらず知念ちゃんだし・・・と思って。途中エマが蘭々に変わったけど・・・。
でも、帝劇のB席は知りませんが、日生劇場は帝劇ほど大きすぎないせいか、見やすかったです。といってもB席の中でも通路のすぐ後、センターブロックといういいお席だったからかもしれませんが。それにしても平日のソワレとはいえ、空席の目立ったのが残念です・・・いい舞台なのに~!そういえば、2階の1画に学生服の皆さんが・・・学校の行事でしょうか?いいもの観ましたね♪

さて、本題。



ストーリーは当然記憶にあるし、歌も聴けば思い出すので「ああ、そうそう!」と思いながら観てましたが、やっぱり鹿賀さんのジキルとハイドの歌い分けって鳥肌モノでした!!今回も同じ感想を持ったのですが、冒頭、ジキルのナレーションからジキルの話し方、話し声が少々高めで、ちょっとスタッカートのような、ぽんぽん飛び跳ねるというか、そういう喋り方で、「ああ、そうだ、ジキルをこうして演じることでハイドとの境目を際立たせるんだよな」と前と同じこと考えました・・・デジャブ?(ちょっと違う(汗))ジキルってしかもエマと結婚するわけだから若いんですよね、若さゆえの、理想の高さ、とかその辺りもストーリーには重要なわけで、鹿賀さんしっかり若々しく見えました☆
ジキルからハイドに変化するところ、数少ない笑えるシーンだけど、笑いきれないというか・・・その後の初めての変貌が強烈だからかな。あのかつら、自分で頭振ってわさわさにしてるんですよね?その後も、ジキルの中にハイドがいたりする、ジキルが必死に抵抗しているシーンがいくつかあるんですが、瞬時の声色の変化、トーンの変化で空気ががらっと変わった気がします。
苦悩に苦悩を重ねたジキル、結局最後はハイドに負けてしまい、親友の凶弾に倒れるんだけど・・・その前に一瞬ジキルに戻って「撃ってくれ」という、あのあと、「撃てない」というアターソンにまた凶暴なハイドが向かっていき、そのためアターソンは結局ジキルではなくハイドを撃ってしまうんだけど・・・あそこ、もしジキルがまだ残ってて、自分を殺せないアターソンに自分を撃たせる為に、ハイドになったのかな、とか考えちゃいました。穿ち過ぎ?でもそう考えたらますますぐっときます。そしてだからこそ、その後のエマが、エマの台詞がすっごく重要なんですが。蘭々がねえ・・・あんな重要な台詞なのになんか軽かったというか、あの左右をきっと見回してからジキルの亡骸を抱きしめてあの台詞を言うんですが、なんかその動きとかに悲しさとか、ジキルへの愛情とか、感じにくかった、のが残念。まあ、全編にわたって演技がまだ硬いというか上滑りな印象はあったんですが。歌は、知念ちゃんより良かったです。高音と、声量がきつそうでしたが・・・。

あと、前回ものすごく印象に残ったルーシーのマルシアさん。この方はジキハイが初ミュージカルだったようですが、いきなりルーシーだったなんて・・・。でも2003年に観たとき、あのパワフルでぶれない歌い方、よく通る声とその声量に圧倒されたんです。ルーシー自体も、役としてこの演目では美味しい役だけど、それをちゃんと演じ切れているな、と思います。
ジキルの中に、今まで自分が接したことの無い優しさをみつけ、惹かれていくルーシーは、ハイドの中に潜むジキルを見出せていたのかもしれない・・・。抗いながらも抗いきれないルーシー、彼女に執着し、ジキルに嫉妬するハイドのシーンがすばらしかった。最後、ジキルからの手紙で「生まれ変わるんだ」と歌う姿がかわいらしく、その後の顛末を知っているだけに余計に切ないシーンになりました。

そして、今回私にとって忘れられないのはアターソンの石川禅さん!この方、今まで注目してなかったのが不思議なくらい有名だし、私も観劇orニアミスしてるはずなんだけど、今回ははっきり私のツボに引っかかりました(笑)
なんだか、芝居がすっごく生きてる気がして。ジキルのたった一人の社会的理解者であり、親友であるアターソンの気持ちがすごく伝わってきまして。あと、ちょっとした台詞がすごーく心地良かったり、場の空気を変えるなあと。
ジキルの変化にも眼をそむけず対応し、それでも彼の理解者であり続け、最終的には自分の手にかけるしかなかったアターソン。ラストシーンでジキルの倒れた後彼の台詞はないけれど、あの「できない・・・」と搾り出すように言った台詞が、それまでのアターソンの言動の流れの到達点であると、本当に実感できる。
役がいい、というのも含め、あれだけ印象に残る芝居の石川禅さん、今後も気にしていきたいです☆

ところで、この作品、作品として地味なのかなあ?あの空席も寂しいし、東宝でもまだチケット余裕ありまくりだし・・・。でもプリンシパルはもちろん、アンサンブルも鳥肌立つほどすばらしいし、照明やセットも2階から見るとますますその美しさと緻密さを感じるし、上質なミュージカルだと思います。

by yopiko0412 | 2005-12-09 12:46 | ミュージカル  

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