市川猿之助トークショー

先日、お誘いを受けて市川猿之助さんのトークショーに参加してきました。
せっかくなので、覚えてる限り、備忘録を。




インタビュアーは、フリーライターの清水まりさん、「僕は、亀治郎でした。」の構成も担当された、気心の知れた方とのこと。
流れとしては、ちょっとした市場調査と、タイムショックばりに20問の質問に一問一答。
その後その内容について、トークを展開。
「僕は、亀治郎でした。」を持ち出して、過去の発言と今の考え方について聞いてみたり。
最後に、客席からの質疑応答。
さらに、プレゼントで、抽選で10名にまさにその「僕は、亀治郎でした。」のサイン本をプレゼント!!

市場調査、では、どこから来たのか、の問い。割と近郊からの方が多かった模様。平日の夜ですしね〜。
昨年来の猿之助襲名公演をご覧になった方、に割と手が挙がって喜んで。さらに、「じゃあ歌舞伎でも現代劇でも僕の公演を観た方?」で多くの手が挙がってましたね〜。そして逆に歌舞伎を一度も観たことがない方、も多少いらっしゃって。

一問一答は、笑える質問あり、真面目な質問あり。
学校の勉強では一貫して算数、数学、幾何、などが苦手だった、と。好きだったのは図工、国語、古典、など。さすがです!

出てみたい番組は、の問いに「A-Studio!」とのこと。おや、それはもしやどこかの誰かのために取材受けたりしましたか?とか勘ぐってみたり(笑)
客席からも「お〜」と反応があり、それを聞いた清水さん、「どこかで皆さんがつぶやいてくれたら、番組スタッフの目に留まるかも!」と煽ってました〜!

生の舞台でのアクシデントは?に、色々あるんだけれど・・・覚えているのは、亀治郎の会で、千秋楽で大セリとスッポンを使って出て行くはずの場面の数分前に、セリとスッポンが動かない、と言われ、役者、鳴りもの、関係者がふっと集まってほんの少し専門的なことを話しただけで、違う演出でその出を演った。その時、「あ、自分たちはプロなんだな〜と思った。上手い下手ではなく、対応できるということで。」とのこと。
清水さんも、歌舞伎は役者だけではなく各セクションのプロの集まりですよね、と。「そう、プロなんです、だからチケット代が高いのは人件費です!」で大爆笑(^_^)

飾ってあった、黒塚の鬼の衣装。衣装にも、沢瀉が盛り込まれている、という話では「ま、そうするとその衣装は他の家の人が着られなくなるんですけどね」と身も蓋もない!(笑)
各家々で得意な演目があり、同じ演目を得意とすることも多いのだが、その場合、家によって演出に違いがあって、それが突出しているのが沢瀉屋だと思う、と。

パネルには、義経千本桜の狐忠信の写真もあり。
これ狐なんです、知らない人にはなんだかわかりませんよね、から、北海道で本物の狐を見た話に。
自分は幼少の頃からこれが狐だと思っていたので、白い狐か、それじゃなかったらきつねうどんのおあげの色のような狐が見られると思ったら、泥だらけの汚い狐だった。そして餌をやろうとしても近寄ってこないし、置いておいて、目を逸らすと取りにくるが、目をやるとぱっと逃げてしまう。普通動物というのは餌をもらうときにはそれなりになつくものだが、それくらいなつかないのが、狐。
だから、自分が狐忠信を演じるときにも、その狐の雰囲気を大切にして、あまりなつきすぎないようにした。
そんな、なつかない狐が実は、というのがあの義経千本桜のお話なんです。
これお芝居を知らない人には何の話だかわかりませんよね、と言ってましたが、すかさず、「来月には名古屋でやります、そのあとも全国でやりますから」と宣伝♪

今回、襲名の演目では、ヤマトタケルは最後鳥になるし、鬼もやった、狐もやった、まともな人間役はやってない!でもそれこそが、沢瀉屋、猿之助なんだろうな、と思っている。

歌舞伎の興行は本当に酷使、という状態で、休みなく昼夜の演目があり、千秋楽の翌日にはもう稽古、でも稽古はほんの数日で、それは新作でも変わりはない。
大変な時は、朝の4時半から稽古が始まって、終わったのは7時半で、それからホテルに帰っても眠れない!
また、現代劇では普通に稽古を一ヶ月行うので、去年は歌舞伎の昼公演に出演しながら、公演後に「雨」の稽古に行くというあり得ないスケジュールだった。
今日も京都で撮影で、この後また京都に戻るんです、とのこと。撮影は「信長のシェフ」でやはり時代劇は京都でなければスタッフがいないそう。
こんなスケジュールで働いているけれど、実は伝統芸能は労働基準法の適用除外なんですって!!
絶滅危惧種のような、そうしなければなくなってしまうから、なのかわからないけれど、除外されていて。だから、子役さんも、歌舞伎の家の血筋の子役だと、夜8時過ぎでも出演できる。他の劇団から来ている子役さんだと、必ず8時までだし、ダブルキャストでなければいけないのだが、そこが違う。

「信長のシェフ」のオファーはどんな感じで?との問い。
わかりませんけど、着物を着るならやっぱり歌舞伎役者、てなるんじゃないですか。所作なんか勝手にやりますし、どうかすると周りの人に教えることもできる、便利でしょうね。
清水さんも、去年の芝居で、女形のお弟子さんが、猿之助さんの共演の女優さんに所作を教えてましたよね、と。
変な意味ではなく、当たり前のように着物が着られて、所作ができるというのは時代劇をやる現場では、必ず所作指導の先生というのがいる訳で、先生いらずになるんだそうです。
着物は、何も気を使わなくても着ていられるけれど、洋服では猫背に気をつけるそう。新幹線での移動が多いけれど、新幹線の背もたれはなんで頭の方が少し前のめりになっているのか?!あれは何でなんだ?!とやけに力強く主張してました(笑)

「僕は、亀治郎でした。」にも収録されているカメテツ、をいくつか挙げてのお話。
人のために何かしてあげると、いつか巡り巡ってかえってくるし、誰かにおごってあげたり何かしてあげたりすると、すごく喜んでくれる。そんな人が喜んだ顔を見るのが楽しい、それが嬉しい。
どうせやならきゃいけないなら、いやいややるよりわくわくしてやった方がいいし、いやいややってる人はそれが出てしまう。不幸オーラは見えてしまう。
何事も、自分でお金を出した方がいい。ご招待ではなく、自分でチケットを買って観劇したり、美術館へ行ったり、そういうのが身に付く。
この流れで、自分のお金で買った初めての物は?の問いは覚えていない、と言っていたけれど、「自分でこれは、と思ったのは、自分で衣装を作ったとき。その時はやったな、と思った。」とのこと。自分で作った衣装は、とっても大事にするようになったそう(笑)
衣装や道具も、どんどん昔と同じ物はできなくなっている。技術にしても、原材料にしても。ヤクの毛、象牙、クジラ、などなど、染料も、同じ色が出せなくなる。だから、だんだん本物は減っていくのかもしれない。
衣装というのは、舞台で照明を浴びたり、着ていくと痛んでいくので、同じものでも何代にもなっていく。でもいつか同じ物ができなくなるのかもしれない。
何事にものめり込みすぎない。歌舞伎役者で命かけます、とは言ってはいるが、どこかで「もうダメだ」と思ったらさっと辞める気でいる。すがりつくのはよくない。逆に、「もうダメだ」と思わないように生きていく。

質疑応答では、色々なお話が。
今の宝物はなんですか?
かっこよくいってしまうと、自分の身体。酷使しても寝てなくても飲んでも翌日には元気いっぱい。
清水さんが「土踏まずに現れてます!」と。「僕は、亀治郎でした。」には足形が封入されているのです〜。
土踏まず、を「足踏まず」といい間違って焦っている猿之助さんもかわいらしかった(^_^)
筋肉は鍛える時にどこを鍛えたいのか意識することで鍛えられる。だから電車ではつり革につかまらずに、あの揺れに身体で耐えるようにしている、それが結構な鍛錬になる。階段も、頭は動かさずに、下半身だけで移動するように上り下りすると、それでかなり鍛えられるので実践してみてください、とエクササイズのオススメ\(^o^)/
ちなみにいい揺れ方をするのは都営浅草線、とのこと(笑)

あと、最近は陶器にこっていて、色々集めたりしている。でも、どんなに素晴らしい陶器も、壊れてしまったらそれでおしまい。だけど、芸は受け継いでいくことができる。そういうことに、陶器を集めることで改めて気づかされた。

新しい歌舞伎座にはいつ出演されるのですか?
実は3年くらいは出ないつもり。それは、色々考えがあって。配役がなくて寂しいと言ってくださるのはありがたいのですが、歌舞伎座が閉まっていた間、東京では、新橋演舞場、明治座、日生劇場、などなど、あちこちで歌舞伎の興行があった。それが、歌舞伎座が開場したらじゃあもうやりません、というのは、つなぎだったみたいで劇場にも失礼になる。それに、こけら落としはお値段も高いので、普通の公演になったらお値段も落ち着くので、その頃観にいらしてください。
実は歌舞伎座が建て替えの間に、各劇場のスタッフにも歌舞伎の技術や伝統が広まったのもある。そして劇場にも歌舞伎のファンが増えた。そういう効果もあったとのこと。

歌舞伎を観たことがない人にオススメの演目は?
これは難しいですよ!映画だって「オスギです!」とか言って宣伝してますけど、だからってみんなが見に行く訳じゃないじゃないですか。と困った様子。でも、わかりやすさでいったら、スーパー歌舞伎は言葉はわかりやすいと思います。

「僕は、亀治郎でした。」の続編は?
それは、出したいと思っています。実際前のフォトブックも好評だったので。それは皆さんからのお声が大きければ・・・「僕は、亀治郎でした。」がもっと売れたら・・・。でもいつか出したいと思っています。

覚えている限り、このような内容。
もっと色々あったので、思い出したらまた。

そして!
最後に抽選で「僕は、亀治郎でした。」のサイン入りプレゼント!
猿之助さんがくじを引いてくださったのですが、なんと、私、大当たりーーーーーー!!
思わず変な悲鳴を上げてしまいました、震えて興奮して何がなんだか!!
トークショー終了後、ステージ上にテーブルが用意され、順番に名前を入れていただきました。手が震えて自分の名前を紙に書くのも一苦労(^_^;
書いていただいている間に、少しお話、というか一方的に話しかけたら、少しお返事していただけました。嬉しい!
舞い上がっていて、握手していただくのを忘れてしまったのが本当に残念・・・でも、サイン本は大事な大事な家宝になりました!


追加
菊之助くんの婚約で歌舞伎俳優がみんな親戚になった話を振られて
「ねえ、すごいことになっちゃって。親族席とかいったらみんなそっちいっちゃうんじゃない?(笑)」
どうやって知ったのか聞かれて
「いや、実は僕らにはすごい情報網があるんで、すぐ回ってきます!実は昔、海外で公演されてる方がいて、向こうでスリに遭った話が、どう間違ったのか、10分15分後に、亡くなった、という話で出回って、奥様が喪服を用意した、なんてこともあって。それくらいすごい情報網があるんです。

お休みの日は自分にしかできないことをする。
清水さんは、それを主演俳優の色々な仕事かと思ったが、そうではなくて、「郵便局とか、10万円以上の振込がおれおれ詐欺のせいで、本人確認しないと振り込みできなくて、あれほんとにめんどくさい!いいの、おれはだまされても!」と。ATMもよく使うので、詳しい。どこのは夜まで使えるとか、どこのは預けるだけで手数料取られるとか。なんでお金預けるのに手数料がいるんだろう?
自分のことは自分でやる。人に任せて失敗されると、失敗は別にいいけど、それによって人間関係が崩れてしまうから。それだったら自分でやる。その方がいい。

『僕は、亀治郎でした。』はこちらから!
あと数回重版になれば、次の出版にも繋がるかも?!とのことでした!!

順番もあやふやですが、こんな感じでしょうか。
歌舞伎座に登場されるのを心待ちにしながら、それまでは他の劇場での歌舞伎公演、TV出演を楽しみたいと思います!!
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by yopiko0412 | 2013-02-24 16:57 | 歌舞伎  

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