『シダの群れ 純情巡礼編』

2010年の前作『シダの群れ』からの続編、キャストは風間さん以外は一新されてるけど、世界と時間軸は繋がっていて、核となる舞台が違うだけ。

あらすじ書こうと思ったけど公式サイトのを拝借。
前作の舞台「志波崎組」は跡目争いをきっかけに、「増岡組」との抗争を激化させ、今は壊滅状態に陥っている。友好関係にある「矢嶋組」の若頭・坂本は、増岡組組長とその女・ヤスコの狙撃に失敗した部下・泊を始末する役目を買って出たが、かわいい妹・可奈子の恋心を思い、尊敬する志波崎組元幹部・水野のもとに彼を預ける。
だがこの行動はやがて、矢嶋組と増岡組、そして志波崎組との関係をも徐々に捻れさせていく。
移ろう人間関係と、その移ろいの根拠のなさに揺れる男たち。その行方に待つものとは―。





前作を観ていても、観ていなくてもさほど影響はないけど、でも知ってるからこそ「ああ!」と符号がカチリとはまる瞬間があり、また水野さんが発する人名と発言に、前作のあれはそういうことだったのか、と思わせられたり。
前作の感想をちゃんと書いてないのが悔やまれる・・・とはいえ、岩松さん作品はいつもすっとは入ってこないので、前も観終わったあともやもやもんもんしてたんだけれども・・・。
今回ももやもやもんもんする感じだった。けど、前より少しこの作品のテイストがわかってるからか、少しわかりやすいメタファーを提示してくれてたからか、なんだろう、いくつかのパーツパーツはわかったような、気がします。
あくまでも、全部をそのまま理解することは不可能なことは前提で、でも何か引っかかるものが残る。

結構共依存の話なんじゃないかと思ったのです。
わかりやすいところで、カナコは兄坂本に依存、同じように兄に依存してるジロウに自分を重ねて依存してたような気がする。でもそれすらも、依存を認めたくないカナコの必死さが見えたり。
だけど、逆にじゃあジロウはカナコを本当に愛してたのかがわかりにくい。カナコに押されたのと、尊敬するアニキの妹だから無下にもできない、ところもあったのかな。

そして、堤さん扮する坂本も少し水野さんと、亡きタカヒロ兄さんに心酔していた気がする。

ヨシエは、台詞でも言っていたように、誰かの世話をすることで自分の存在を確かめてる人、だったのかもしれない。それは看護婦としてだけではなく、プライベートでも。そういう意味ではその世話してる誰かに認めてもらわないといけないというところで依存してたのかな。水野さんがジロウとカナコを連れて行こうとしたら食い下がったし。

全体的に、水野さんと坂本の父の想い出話として挿入される闘牛の話が人間模様の置き換えになっていた。牛は自分を赤い布で操ってる人間が見えてない、自分の意志で赤い布に突進してるつもりだけど、実際は操られてる。でも操ってる側の闘牛士も、一歩間違えると操ってるはずの牛に大怪我を負わされる。しかもそんな彼らは柵に囲まれた競技場で、大勢の観客に見られてる。そんな入れ子構造。人は人と絡み合ってる。操ってると思ってたら操られてたり、踊らされたりしている。
ヤスコがシナリオを書いていたつもりだけど、結局彼女自身が坂本に惹かれてしまうという想定外のことになって、じゃあ彼女の想いも遂げるようにシナリオを書き変えたつもりが、坂本はそのシナリオには乗ってこなかった、ヤスコの誤算。

水野さんがいて、前作のタカヒロと森本の話があるからか、世界観がわかってるからか、色んな思惑を想像できたし、前は名前だけで、でも物語の、というか組同士の抗争の発端だったヤスコが、今回は物語のシナリオライターだったのも面白い。だけど彼女自身もシナリオとは違う、堤さんへの感情を持ってしまったから、だから、タカヒロの仇討とは別に、堤さんへの愛情を最後に確認したかったのかな。

カナコは、依存してた兄からもジロウからも突き放されての自殺。元からちょっと壊れ気味だったけどね‥。しかしぶりっ子な彼女が堤さんと話しながら次第に本性現すシーン、もうちょっと上手くできないかなあ‥・。
ぶりっ子声から歩きながら兄の言葉に次第に声を低くして本性を現す、んだけど、ちょっとわかりやすすぎだったのよね、声色変えるのが早すぎると言うか・・・うーん。
私にとってはこういうシーンてその役や舞台の空気を一変する力が必要だと思うんだ。
朧~の聖子さんの「だーいっきらい」とか蜉蝣峠の聖子さんの「50両よー!」とか。(聖子さんばっか)

途中、前作の経験から、誰かが誰かを殺したり裏切ったりは容易に想像できてたので、なんとなく吉岡くんがカナコとジロウを殺しに掛かるんじゃないかと思ってた、なんとなく。いや、好きなカナコを手に入れられないなら殺しちゃえ、的な感じになるのかな、て。違ったけど。吉岡くん役の役者さんがなかなか良かったです、で調べたら「太賀」さん。中野英雄(チョロ!」さんの息子さんだった。へえ。

良々さんは盤石。なんだろうなーあの存在感。
村治香織さんのギターが心地よ過ぎてラスト眠かったよ(笑)
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by yopiko0412 | 2012-05-20 12:38 | 演劇  

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