劇団☆新感線『髑髏城の七人』

2011/8/20-18:00開演 梅田芸術劇場

7年ごとの、髑髏城。私は生で観たのは7年前のアカ・アオから。今回はキャストをがらりと若返っての「ワカドクロ」!捨之助と天魔王を同一人物設定から分けて・・・とわくわく度いっぱいの公演。
もちろん古田さんやじゅんさんがいない寂しさはあれど、やっぱりわくわく。
で、毎回毎回、東京のあと大阪公演で、朧~も蛮幽鬼も大阪での変化が素晴らしかった、という話を聞くに付け、「今度こそ大阪遠征するぞ!」とか思ってた。ら、今回は珍しくも大阪が先で東京が後半。でもやっぱり大阪でも観て、東京での変化を観なければ、ということで初・観劇遠征!
しかし、初日に発覚した配券トラブル、メタルさんの怪我降板、など色々とトラブルがあり、観る前に色々と心配になった。でも、それでもやっぱりわくわくしたし、後方席だけど楽しみに観劇!!

さてこっからネタバレ。
多分厳しいことも書くけど、基本的に愛があるからこそ、期待してるからこそ、のことなのでよろしくです。
ま、こんな辺境のブログが多くの方の目に止まることもないでしょうが・・・。




で、一番の感想は、「これ天魔王と蘭兵衛の話になってるなー」てことかな。
天魔王と捨之助を分けたことでどうなるかと思った。んで、やっと登場した天魔王がいきなり高笑いしたときはびっくりした、え、これ天魔王?!て。エキセントリック過ぎると思ったのです。
でも、天魔王の比重が多くなった脚本で、彼が今までになくべら喋り(笑)してて、その内容と彼の行動、蘭との関係性、なんかを見てると、彼がどうして天魔王になったか、何がしたかったか、が明確に浮き彫りになって、そこに蘭の狂おしい感情も上乗せされて、この二人の心の闇とか欲望とか辿った道とかがすごくはっきりして、だからあのエキセントリック天魔王になったんだ、とわかった。
人の男は、信長と共にあった時の「毎日が試されて、ひりひりした感覚があって、生きている実感があって、しかも信長という絶対王がいて、それを信じて仲間(蘭と捨)と共に戦っていた」毎日を、また取り戻したいと願った。そんな感覚に恋焦がれてたんだと。それはきっと蘭も捨も同じだろうと、同じ仲間だと、思いたかった。思ってた。

蘭兵衛も、表では亡八稼業に身をやつし、無界の里を作り、守ってきた。それは蘭の真実の一つ。だけど、天魔王のところへ仲間のために乗り込んで、逆に天魔王に、心の中のほんの少しの疵を見つけられ、薬で助長された。蘭自身も、天魔王とはまったく同じではないにしろ、信長への羨望と忠誠心を失っていないし、在りし日にまだ夢を見ているところがあったのかもしれない。それを見透かされての、寝返り。
だから、蘭は最後にやはり天魔王を守る。守って死ぬ。でも彼は自分の中にも天魔王が棲んでいたことに、自ら気付いていたから、だからあの道を選んだのだと思う。
天魔王と蘭兵衛の一騎打ちから蘭が天魔王に落ちる流れの美しさと儚さがすごかった。その後、天魔王と蘭兵衛が共闘して「楽しい!」と言い合うところとかなんだあれ!やってることは極悪非道だし言ってる事は破綻してるのにすごい共鳴し合ってる二人に惹き付けられた!!

天魔王の書き込みが増えて、蘭との関係性も浮き彫りになった一方、捨之助についてはちょっと脚本的にも割を食った、のかなあ。特に前半、「三途の川に捨之助」のはずなんだけど、全然捨ててないところとか無理して飄々とした人っぽくしてるのとか、全てが無理してる感が出すぎてて、あれでいいのか・・・という気がした。あれはかずきさんの脚本か、いのうえさんの演出なのか、はたまた中の人の力量なのかは謎なんだけど・・・。でも脚本の書き込みはやっぱり割を食ってると思う。捨のバックボーン薄いものね、特に1幕。
で、2幕になってからだんだんちょっと良くなって、やっぱり最終的に全然捨てられてなくて、髑髏城に乗り込んで天魔王と話をして・・・となって想いが噴出したあたり、やっと胎が据わってきた気がする。それでも沙霧と話すところとか、また飄々としてるっぽいけど全然そうでない捨に戻っちゃうからちょっと「あれ?」てなるんだけど・・・。
蘭が死んだあと、蘭にかける言葉が「てめえの信じた道をいったんだ」的な感じになってたのは、ちょっと突き放してた感じがしたけど、まあ蘭の中に天魔王が棲んでいた、という自分の解釈を持ってくると、それもわかってて、捨は捨で自分は違う、と思ったんだろうか、でもそうなる蘭の気持ちもまったく否定はしない、 だから、自分の信じた道をいった蘭は満足だろう、ということか。あの世で本当の信長と会えるだろう、と言ってるからそういう意味合いなんだろうな・・・。

脚本色々変わってるんで人物造詣が随分変わったと思う人、たとえば狸穴次郎衛門。
無界の里の流儀説明とか色々説明シーンに出てくるんだけど、やっぱり若いキャストの芝居の中で、劇団員の皆さんと共に千葉さんが出てくると舞台が締まる締まる。んで説明シーンもすらっと流れていき、「女は自分で仕事も男も選ぶ」ていう設定がまた上手く活きてきた気がする。
で、およし姐さんと次郎衛門の仲が良い感じだっただけに、無界壊滅後の、次郎衛門の嘆きと怒り、でも徳川家康としてその私怨は納めて・・・それでもちゃんとおよしの亡骸にそっと手を併せて無念さを滲ませるあたりが、ぐっときた。だから、最後の捨=天魔王だという図式からどうやって捨を助けるんだろう、と思ったときも、ちょっと論理的には無理があったな、とも思うけど、狸穴次郎衛門としての彼の想いがあそこにあったのだと思えた。
あのシーンの、「空っぽの仮面」という表現は言い得て妙。天魔王と蘭の想いのところと被るようになってる。いなくなってしまった主君の亡霊を追い求め、虚構の王を名乗ってその魂を生かそうとした人の男が作り出した天魔王は、まさに空っぽの仮面だったのだな、と。

それと、兵庫。抜かずの兵庫のセリフはまーじゅんさんを思い出して思い出して仕方ないのだけど・・・それを言ったらキリがないので。勝地くん元気あるけどもっと押し出し強くてもいいんじゃないかな~。でも極楽がちょっと姐御っぽいところに、ちょっと子供っぽいけど一本気な兵庫の関係性はなかなか好き。極楽がむげにしながらも実は想ってる設定もよかった。
大アニキ説得シーンに無界の男たちが「実は・・・」と絡んでいたところは兵庫のバックボーン強化にぴったり。この設定好きだ。どんな役にも、背景とドラマと想いがある。

三五のキャラも、裏切りが大好き、の前に、「生き延びるためならどんな手段もいとわない」からその最たる手段が「裏切り」であって、結果的に生き残りをかけるぎりぎり瀬戸際の人生を駆け抜けてるってことになってて、なるほど、と思った。
沙霧は、捨と天魔王の影武者設定がなくなったから、影武者云々のところがぼやけちゃってもったいない。あっちを立てればこっちが立たず?(ちょっと違う)
極楽はさっきも書いたけどキップのいい姐御設定、無界の女たちを守る心の強さ、そのためには最悪の場合を想定して最強の武器を隠しておくこともする、ていう強さが描かれてた。それでもやっぱり蘭に対して絶望的な哀しい憎しみを出すところは女だな、と。しかし最後の武器があれって・・・よくOKしたな(爆)聖子さんの十八番を小池姐さんに!あれは爆笑!
贋鉄斎は、女性刀鍛冶をどういう設定にするのか、と思ったら、夫婦で刀鍛冶やってて、旦那の技を引き継いだ設定とは思わなかった!でもだから、彼女にも信長が在りし日の背景はあるし、だから天魔王も彼女に対して「お前が贋鉄斎を名乗るのか」と言い放つ。だけど、天魔王は結局彼がなじった女・贋鉄斎の斬鎧剣で斃れるわけで、皮肉なもの。それにしても聖子さんの安定感も抜群すぎていいわ。ちょっとそこらのおばちゃんみたいなキャラ造形だったけど、刀に魅入られたキャラも「美しい!でもまだ私のほうが美しい♪」てかわいくっていいよー!もっと出番多ければよかったのに!!

殺陣については、前評判と期待通り、やっぱり蘭と天魔王の殺陣がすごすぎた!!1幕で蘭の殺陣の手数の多さに興奮!で2幕で蘭×天魔王の、衣装を翻しながらの美しく流麗な殺陣に惚れ惚れ!しかもそこから蘭が天魔王に落ちるもんだからなんかお耽美にすら見えた。そのあと、天魔王と蘭兵衛が黒い衣装に身を包んで二人で共闘してるところ、あれアクションチームと戦ってたけどすごかったなー。エキセントリックに美しい!
百人斬りは、聖子さんがやるのかと思ったら違ったのはびっくり。その役兵庫に渡すかー。ただ、捨と兵庫二人の百人斬りも、刀投げたり色々やってたんでかっこよかったけど、なんせその前に見た天魔王×蘭兵衛の殺陣の美しさ速さ手数の多さ時間の長さに圧倒されてたため、んーもうちょっと頑張れ!と思ってしまった・・・。まあ殺陣の種類も違うんだけどね、でもね・・・。

捨単体の殺陣は・・・もうちょっとスピード感ください・・・。あれだと敵役の刀がくるの待ってる風なのが見えるのです・・・。東京来る頃にはこなれてることに期待!!
あと以外に動きがよかったな、と思ったのが小池栄子!かっこよかったよ。

あと思いついたことずらずらっと。

音響のせいなのかなんなのかわからないけど、戦いながらの割りセリフが時々聞こえないんだよね・・・蘭は完璧聞こえる。太一くんの低音凄みボイスすごい。未来くんのセリフは聞こえにくい。なんで?かっこいい音楽にかき消されたのかしら・・・PAで調整して欲しい~。おぐりんのも低音は聞こえるから未来君の声が高いってことかしら。

トラブル絡みに関しては、席は12列目くらいのところからテープで座席番号上から付け替えてた。なるほど。
七部衆は普通に六部衆になってたのでどこがメタルさんだったのかわからなかったな。

幕間に、物販のDVDコーナーでアオドクロ→アカドクロ→97の順番にダイジェスト流れてて・・・ついついガン見(笑)内心では、(まだ1幕だったこともあり)これをここで流すのはちょっと・・・と思いつつつい見入っちゃった(苦笑)97の古田さん若い、細い、かっこいい☆

大阪の観客の反応、てよく聞いてたけど、笑いのツボは別として、やたらと拍手が多いのはなぜに?だって「三途の川に、捨之助ってね」て捨が言ってタイトルバックが出たところで拍手・・・にはびっくりした。あれは大阪新感線ファンの反応なのか、捨ファンの反応なのか、謎。

あとね・・・捨と天魔王の対決の締め、あれでいいの?なんであそこでああなった?遠かったのでよく見えなかったけど、太い剣で鎧にダメージ与え続け、細い剣出したよね、それでも天魔王倒れず、最後は小刀出てきて脳天ぐさり、で天魔王が「これってあり?」て・・・笑いが起こってたけど、あのシーンであの笑い必要だったのか・・・私はあれはなんか「?」だったなあ~。しかもあれじゃ斬鎧剣の意味合いどうなったんだろう・・・仮面だけはがして近い間合いで小刀出したら誰でもできちゃうじゃないの・・・。

あとも一つわからなかったのは、薬で正気を失って、「天魔王と呼ばれたら相手を殺せ」と暗示された捨。沙霧はなんであれが捨だと気付いた?そして捨が正気に戻るの早いし理由が「一本木なゲンコツ」てのは説得力が弱いような・・・。

パンフは遠征先で買うにはでかいので、東京で買うのです。早くみたい。
あ、染ちゃん(というか、松本錦升さん)の名前を見つけると無条件に嬉しい♪未来くんのところでしょうきっと。と思いながら観てたのでそれも楽しかった。

とまあ色々と言いたい事もあって書いてるけど、充分楽しんで満足したのです。んで、これがちゃんと色々こなれてきて、進化して東京に来るのを期待したいのです。特に殺陣!多くは言うまい。でも、殺陣!
次回は9月上旬、東京にて、楽しみに待ってます!!
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by yopiko0412 | 2011-08-22 21:05 | 演劇  

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