劇団☆新感線『港町純情オセロ』

2011/5/8-12:30開演 赤坂ACTシアター

シェイクスピアのオセロを新感線で翻案、昭和の関西のヤクザに置き換えて、のオセロ。元の普通の(ていうのか?)オセロを実は知らずに観たのでどこからどこまで翻案かわからない状態で観てたんですが、観劇後に色々確認するとかなりそのまんまだったようで。




事前に言われてたじゅんさんと(石原)さとみちゃんのバカップルぶりはきゃぴきゃぴかわいかった。さとみちゃんの声色の使い分けはなかなか頑張ってたし、父親に自分のオセロへの気持ちを語るところはちょっと泣ける。
ジェットコースタースピードでどんどん話が展開していくので、バカップル時間が短いのと、オセロが伊東に嘘八百を吹き込まれたあともモナのきゃぴきゃぴがあんまりかわらなかったのはオセロとの温度差表現かな。
ものすごい私怨でオセロを追い落とすために嘘をつき周りを罠にはめてく伊東郷は、でも結局最終的にどういうシナリオを描いていたんだろう?汐見を殺して、オセロにモナを殺させて、自分がイムタ組の組長になるつもりだったのかな?にしては割と自由に泳がせてた妻と弟がネタばらしちゃったし、汐見も殺せてない。
オリジナルキャラの伊東郷の妻の弟、ゲイの沖元准が、途中まではなんだかにぎやかしキャラだけどどうしたいんだろう、状態だったのだけど、歯車が狂い始めたあとのモナと姉とのシーンで、男同士の愛が異常だとされる世の中を、自分が愛する男が頂点を取ってひっくり返してやる、そうすれば男女の愛が異常になる、というあたりで、その存在意義がオセロのブラジル人と日本人のハーフ、半ブラ、の設定とシンクロし、人種というマジョリティ・マイノリティの話にさらに男女という深みが加わったのは面白かったし、余計に泣けるものだった。

そして、オセロのモナ殺害後の、伊東郷の企みが明るみになるシーン。
岩塩の行方について言及され、准が事の次第に気付く場面で、もうその前から伊東は低い姿勢で准を睨みつけながら狙っていた、気付いたか、気付くか、ばれるか、殺すか、という、狩をする動物のよう。そうして、准の魂の叫びがまた、劇場の空気を変えた。准は、伊東のことを心から愛していた。その一方でモナのことも好きだったし、モナがオセロを愛していることも充分理解していた。だからこそ、あの魂の叫び。
愛する伊東の犯した悪事、それに手を貸した自分、それに気付かず嵌められてモナを殺したオセロへの怒り、モナを失った哀しみ、それらが詰まった叫びは、血を吐くようだった。泣ける。

オセロは、モナへの愛情を伊東にだけ語った。ブラジルで溶け込めず、世界に溶け込めず、日本に来ても溶け込めず、ヤクザになるしかなかったオセロ。常に自分の居場所を探し続けたオセロ。モナと出会ったことで自分の居場所を見つけたオセロ。だけど、居場所を見つけてしまったことでモナがいう「面白い」自分を失ってしまったのではないか、モナに飽きられないようにするにはどうしたらいいか、そんな詮無い心のうちを語ったオセロ。じゅんさんが叫ぶ「ここや!」自分の居場所はここだった、という台詞は、もちろんオセロのものだけど、鋼鉄番長を降板したじゅんさんにとっても、「ここ(舞台)や!」だったのか、と勝手にシンクロして聞いてたので二重の涙・・・。
そして、全てを悟ったオセロが「俺も片耳になってた」は、まさに伊東郷との対比か。伊東からの諫言しか耳に入らず、真実の声を聞くことができなかったオセロ。だけど、それは伊東もまさに同じで、物理的にも「片耳」の伊東だって、元はといえば、理由もない噂でオセロと妻の仲を疑ったところから怨みが募ったのだから。
そうして、穏やかに、自分の過ちを見つめ、後顧の憂いを取り払い、「自分たちの物語を語り継いでくれ」と言い残して、オセロはモナの元へ旅立った。純白の衣装で。オセロは自分の居場所を見つけられたんだろうか。

ところで少し疑問が。
・冒頭の「未来から来たと言い張る人間が日本の未来を語ってる」はなんだったんだろう。
・ミミナシの片耳がない理由は結局わからず、ミミナシが妻とオセロの浮気を信じ込んだ理由もわからずね・・・。
・赤穂組親分が、半ブラのオセロを切ろうとしてたあたり、必要だったのか?原作どおり?なんでそうなってたのかよくわからない。あんまり回収されない伏線だった。結局あれも「半ブラ」だから嫌いだった、てだけなのかな・・・。

その他。
・じゅんさんの腰ネタが冒頭から!「イムタオセロ、完全復活!」はまんま、じゅんさんのための台詞!
・粟根さんが・・・あまりに想定外すぎて面白かった!横恋慕して姑息な小者、ていうのはアリガチだけど、変装の達人て・・・そのうえ半裸て(爆)やーびっくりした。笑った。
・さんぼさんがかっこいいと聞いてたが、ほんとにかっこよかった!凛々しい、義に熱い漁師だったよ!!出番は少ないけどかなり美味しいと思う~!

というわけで、面白かったし泣けたけど、なんだろう、ありえないくらいの圧倒的感はそこまで感じなかったのと、そこまで翻案してたわけじゃなかったのね、ていうのが「あれ?」て思ったかなあ。メタマクの翻案っぷり、かずきさん朧もリチャード3世とマクベスみたいなものだったのでもっと変化球かと思ってた。
とはいえ、なんにしても、とにかくじゅんさん復活おめでとうー!な公演でした。

で!
物販で売ってた薔薇とサムライのゲキシネ前売りもゲット!
チラシにはもちろん髑髏城の七人!RHS!
楽しみ~(^o^)
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by yopiko0412 | 2011-05-10 21:18 | 演劇  

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