龍馬伝第四十二回「いろは丸事件」

龍馬伝第四十二話『いろは丸事件』

怒涛の事件が続く第4部。
今回は、いろは丸事件とその談判。色々異色な回だった。

いろは丸の沈没シーンは、セットとCGが巧みに使われていて、ダイナミックな映像!水の量が半端ない。それにしても、海援隊は船に縁がないよな・・・と。ワイルエフ号は池と共に沈み、今度はいろは丸。結局満足に自分たちの船で仕事ができなかったのがなんという皮肉か。




そして、船の衝突から先の展開が、珍しい。テロップで時系列を表示するとかなかなか潔い感じ。
龍馬は、船が沈むその時から、嘆き悲しむ皆とは違ってもう先の先を見据えていた。だから、すぐさま航海日誌を見ていた訳だし、鞆の浦でも、1000両は乗客たちに、自分たちの分は別、と言い放つ。
龍馬の先を見る目と、周りの人々や状況、使える材料を見極める目が遺憾なく発揮されたこの交渉。

後藤も紀州藩も、龍馬にそれぞれの価値観を揺さぶられて、龍馬の描く方向に持っていかれていた。
後藤には、この事件の行方が土佐の風聞に繋がる、とし、そしてこの談判の結果がこの後の流れを変える、という点を指摘し、後藤を動かす。
紀州には、万国公法を無視することで紀州の風聞が、ひいては幕府の、帝の威光を汚す、と痛いところを指摘する。そのために「歌」を流行らせることで、その懸念を先に呼び起しておく。
ただ、後藤にはきちんと最後に一礼することで、きちんと後藤を立てることも忘れない。

先を見る龍馬は船が沈んだ直後は談判のことを見据え、1回目の談判の際は今後の談判を見据え、そして「船同士の事故の決着の付け方の最初の例になる」ということも見据え、そして談判が成功すれば、喜ぶ隊士たちを見ながら、もう次のことを考えている。
そんな龍馬だから、自分の身の危険もきちんと感じている。それはかつて高杉から言われたように、自分が動けば動くほど、自分に恨みを持つ人間が増えることを、拳銃の重みと共に感じているから。
だから、三吉さんに手紙を書き、自分がもしいなくなった場合のことを頼んでいる。
久しぶりに刀で自分と対話する龍馬に、射撃の練習をするお龍が重なる。無邪気に笑うお龍にはそんな自覚はないけれど、十分に未来を、危険を、自覚している龍馬との対比。

2回目の談判に後藤も出てほしい、と話す龍馬と弥太郎と後藤のシーンもよかった。
後藤に対して礼を尽くしていながらも、やっぱり後藤の琴線に引っかかることを告げ、後藤を引っ張り出す龍馬。後藤の目線から龍馬を上から見るカメラアングルと、龍馬の目線から後藤を仰ぎ見るカメラアングルが面白い。
そして今回も大活躍の弥太郎。引田屋でのお酒吹く場面は、その昔の龍馬が重太郎さんに酒を吹いたのを思い出して大笑い!
龍馬のとばっちりで自分まで腹を斬らされるかもしれない弥太郎の「取れんかったら、取れんかったら」「こんなところで、こんなところで」の2連発の2連発も、弥太郎の切羽詰まった感じが逆に面白さを増してた。

談判後の、海辺のシーン。ちょっと風が強すぎたけれど、お元が、龍馬に対してどういう想いを抱いているのか、が明確になった。お元にとっては、もう龍馬は恋愛感情を通り越し、この世界を変えてくれる「希望」になっていた・・・第4部のタイトルは「hope」です。お元が、庶民の代表として、その「希望」を体現しているのかもしれない。

歌を流行らせるあたりは、テンポよくって画面も賑やかで、痛快。
お慶さんも小曽根さんもグラバーさんもみんなちょっとほくそ笑みながらなのが、また良い。

そして、薩摩と長州、土佐の重鎮たち。大殿さまが、あの大殿さまが、お酒を呑まずに撒いたよ!!

次週はまた、大きな歴史的出来事。だいたい4部は1話で1つの事件、が基本か。
久々の中岡くん登場に、ついに大久保利ミッチーも登場!!船中八策という大政奉還のための重要な試金石を、どんな龍馬伝テイストで見せてくれるのか、楽しみでしかたない。

とはいえ、もう暗殺まで半年とは・・・龍馬さんの先を見る目は、自分の危険をも感づいている。それが、今回の紀州藩士のほんのちょっとした襲撃ならいざしらず、あれは氷山の一角であることを、龍馬はちゃんとわかってる。そしてお元も、希望となる人物に大きな危険が迫っていることを肌で感じている。

あーやっぱりもうすぐ終わりだなんてもったいない。もっと見たい。
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by yopiko0412 | 2010-10-17 23:12 | 龍馬伝  

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