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龍馬伝第三十七話「龍馬の妻」

龍馬伝第三十七話『龍馬の妻』

先週の寺田屋襲撃からの、落ち着いた今回。落ち着いたけど、色々ネタは盛り込まれてる。
柱は龍馬とお龍なんだけど、そこに見え隠れする、龍馬の想いと、薩長の想い。龍馬に関連する人間たちの想い。




お龍は龍馬を介護しながら、幸せそう。
だけど、西郷さんがやってきて「京都を出た方がいい」と言ったこと。龍馬が木戸からの盟約の書状を見て目つきが変わったこと。そしてその書状の裏書きを、必死にしたためたこと。その姿を見て、龍馬がやろうとしていること、龍馬が置かれている立場を肌で理解した彼女は、身を引くことを考える。
彼女が、以前借りたお金を返す準備をしていたのは、多分ずっと前から。だけど、それを渡してしまったら、龍馬とのつながりがなくなってしまうから、だから返さなかったのだろう。そして、彼女にとってはお金を返す時は別れの時、と決めていたということ。
そんなお龍に、龍馬は言う。「これで別れたらもう一生会うことはできない」と。お龍だけじゃない、龍馬には「もう会えない」と覚悟を決めた別れが、今までにもいくつもあった。だからこそ、もう会えないかもしれないことを、心底実感しているし、逆にそうならないために、一緒に行こう、と言う。今までの別れを乗り越えた龍馬が、別れないための決断をした。
ちなみに、書状に裏書きをする龍馬を助けるお龍、つまり、二人してあの裏書きをしたためたシーンを、後ろから映した映像が、妙に艶めかしく、下手なラブシーンよりラブシーンだった気がする。

そうして一緒に薩摩へ向かう龍馬とお龍だけど、長崎に寄り道。久々の長崎パート。
だけど、龍馬は早速亀山社中で報告と、これからのことを仲間と話し、お龍はほったらかし。
ついでにさっさとでかけて長崎の商人たちに根回し。
なぜか龍馬なしでの宴会で居心地の悪い気分にもなり、お元に嫌味を言われ、女の戦いなんかもあったり。
さすが、いきなりの振り回されっぷり(笑)
だけど、それが「自分は本当に役に立っているのか」という言葉になるのは、やはり「役に立ちたい」「助けたい」という想いの強さ。この辺が、「おもしろき女」なのかもしれない。三歩引いて夫を立てる、んではなく、一緒に前を向いて並んで歩きたい、現代風な女だったのかもしれない。

そんなお龍に、龍馬はその決意を語る。死を意識したことで、かえって自分が成すべきことを、成さなければならない、という想いを強くした。そして、それは急がねばならない、と。この辺りから龍馬さんが生き急いでいる感が出たのかもしれない。
お龍との二人三脚をお龍にもわかりやすくするために、木札を渡す。今までもずっと龍馬が身に着けていたけれど、説明されることはなかった木札。ずっと映像には映っていたけれど、殊更に説明することはせず、こうしてお龍に渡す時に説明する演出も、結構好き。「のぞみ」を失わないこと。龍馬の志の強さの根源は、これだったのか、ということが、ここにきて表されていた。

そして、死生観によって生きている人間が、もう一人。長州の高杉晋作。
グラバー邸の隠し部屋がこんなところで登場するとは!天窓から差し込む光の元、日本の将来を、自分たちの将来を語る二人は、その語った将来を迎えることなく、この世を去っていることを、視聴者は知っている。だからこそ、希望の光の逆の、暗闇が、重い。
将来、日本のために働こう、と誓う二人は、美しくも切ない二人。
そして、高杉は自分の身体が危ういことに気付いたため、方針を転換する。藩からもらった千両で、長くない自分が留学するよりも、その千両を、今長州のために使おうとする。龍馬の言うように、「生き金」として使うために。

薩摩と長州は、ついに行動に出た。幕府への宣戦布告。居合で刀を振る木戸が、いつかの武市さんと重なる。志を持った人間の、覚悟は、同じ。

こっちも久々、土佐パートで大殿さまが登場!欄間越しの映像とかやっぱアングルこだわってる。
龍馬→弥太郎→象二郎→容堂公の伝言ゲームで「流れが変わる」情報は入ってたということか。そして実際に薩長の揺さぶりを見て、容堂公が動き出す?
弥太郎と象二郎も、相変わらず象二郎に痛めつけられる弥太郎だけど、今日は、弥太郎の言葉というか、弥太郎が伝える龍馬の言葉に、考え込む。いまだ吉田東洋の影から逃れられていない象二郎は、東洋が見抜いていた龍馬の資質を弥太郎から伝えられ、何かを感じたのだろうか。そろそろ象二郎にも時代を見つめてもらわないと、今後の展開に影響があるのでね(笑)

もう、来週は第三部終了。あっという間に時代は動き、人は動く。

by yopiko0412 | 2010-09-13 00:47 | 龍馬伝  

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