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龍馬伝第十六話『勝麟太郎』

今回は、龍馬と勝先生の出会いがメイン。で、そこに長次郎と半平太が絡んで。

いきなり江戸に帰ってきて、千葉道場を訪ねる龍馬。勝に会うためにどうしたらいいか、考えて、とにかく思い当たる伝手を当たろうと、千葉先生を訪ねる。いきなり勝に会えないなら、少しでも勝に近い人を、と、それなら指南役をやっている松前藩のお殿様に会いたい、と。
この辺、会いたい人には自分から会いに行く、使える伝手は使う、相手の懐に入り込む龍馬が既に発揮されている。



この流れ、佐那のことを迎えに来た、と喜ぶ重太郎さんとお佐那様がかわいい♪身支度を整えるお佐那様のシーンでまたホラー的な効果音が(笑)
重太郎さんが付き添いで松平邸へ出向いたけど、実は援護射撃をしてくれてた定吉先生が、言葉は少ないけれど、龍馬のことを信じているし、龍馬が志を持っていることをわかってる。そして、勝に会わせて欲しい、と手をついて松平公に頭を下げた龍馬の首筋には一筋の汗。落ち着いているように見えているけれど、緊張していることを表した細かい演出。

勝と龍馬の出会い、1回目と2回目があり、その間に勝は半平太にも会ってる。それぞれ、勝の態度が違ってるのが今回の肝だったかな。
最初は海の者やら山の者やらわからないけれど、長次郎から「面白い」と言われ、松平公からの紹介なので「何が面白いのか」という姿勢で龍馬に会った。龍馬の方も、勝への期待ばかりが膨らんで気負い過ぎていつもの龍馬じゃなかった。
勝も龍馬も、最初はお互いに「がっかり」した結果。
ただ、その後勝は長次郎から「すぐには計れない人物」と言われ、半平太との面会で龍馬が「幕府も藩もいらないと言った」ことを聴いて興味を持つ。

その半平太との会見も、龍馬の時とは別人の勝。まあ同じように地球儀を見せて世界を説こうとしたら龍馬にも半平太にも「知ってる」と言われて引っ込める同じ展開があるんだけど、これは同じ流れを見せながら相手によって勝が感じる印象が違うことの対比。
半平太には手の内を見せない勝。でも、相手を制することは忘れない、一筋縄ではいかない幕臣。
そして、半平太へも「がっかり」したんだけど、逆に最初に「がっかり」した龍馬にまた会いたい、と思うようになった。

そして2回目の会見。今度は龍馬もそれほど気負ってない。勝は龍馬が何を考えているのか、を知りたいという姿勢。勝の誘導尋問(?)で、龍馬は漠然と抱いていた「喧嘩をせずに異国と渡り合う方法」にやっと気付く。いきなり「文明」という言葉がでてきたのにはびっくりしたけど、このドラマ的にはその辺は気にしないでおこう。
軍艦をなんのために持つのか、使うのか、勝は長く抱いてきたその思いを、同じ思いを持つ人間を見つけた瞬間、堰を切ったように生き生きと軍艦を語り、ついに龍馬は夢だった「黒船」に乗り込む。
このシーンの龍馬の子供のようにはしゃいだ姿と、それをそうかそうか、と嬉しそうに眺める勝が、本当に師弟になったように見えた。

今回もう一つ印象に残ったのは、長次郎と半平太の会話。
弥太郎に触発されて、日本がどうなってしまうのか、考えたくて土佐を飛び出した長次郎。そして自分で自分が学ぶ場所を見つけ、自分の志を持った長次郎に、「饅頭屋の分際で・・・」という言葉を投げかける半平太。「武市様がそんなことを言うなんて」というのは、まさに半平太の矛盾を突いていた。
土佐で「下士の分際で」と蔑まれ、泥水を飲んできた武市が、志を持ちながら身分一つで差別と侮蔑を受ける悔しさを、知り尽くしている武市が、いまやかつての上士と同じことを言い放つようになった。それは大いなる変容であり、武市の勘違いであり、武市自身が軽蔑していた人間になり下がってしまったということ。
勝との面談でも「土佐藩主と大殿さまに仕える」と言いながら、それが嘘であることは勝にも見抜かれていた。半平太の勘違いは来週以降きっとその大殿さまからの反撃にあい砕かれることになるんだけれど・・・。

前半のもう一人のヒロイン、お佐那様は、龍馬の想いをどう受け止めるのか。龍馬に会えた喜びを「笑顔」で表現しようとしたり、重太郎さんに眉間の皺を直されたり、かわいらしい。松平公に会うための龍馬の衣装をお佐那様が整えたのは、お佐那様の愛情を感じてじーん。でも、龍馬はもう自分が成すべきことを成すことに邁進していることにも気付いてるお佐那様。だからその表情は晴れやかとは言い難い。
来週、龍馬との別れも、切ないけれど、愛する人を黙って信じる道に送り出す芯の強いお佐那様が見られるのかな。

最後に、どうしても言いたいことひとつ。「あるよ」て勝先生言った!「HERO」ですよね、ね、ね!!

by yopiko0412 | 2010-04-19 00:41 | 龍馬伝  

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