阿佐ヶ谷スパイダース『アンチクロックワイズ・ワンダーランド』

実は今年の初観劇だった阿佐スパ。感想は色々あれど、漠然とした言葉にしかならないので書けず・・・でも書いておきます。




とある人気作家が主人公。最新作が新聞で酷評され、落ち込んでいる。かつての名声と最新作への酷評から自信をなくしている。人形作りに勤しみながらなぜか人形と同じ形の料理(赤子の形?)を出してくる、家政婦の若い女の子を夫の慰みにしようとする不思議な妻。
担当編集者と飲みに行って酒に酔った彼は、彼のファンだという女性に会い、彼女の部屋へ行くが、気付けば彼女は階段から落ちて酷い怪我を負っていて・・・。

冒頭から説明もなく人形作り場面と作家の食卓の場面が交錯してて、いきなり謎。事件が起こったあとは刑事の取調べと事件の顛末が重なっていたので、時間を重ねて表現してるものか、と思っていたら、時間どころか世界そのものがいくつかの世界が折り重なってたことに徐々に気付かされる。
恐らく、作家の過去の小説、そして酷評された今回の小説、この事件の新しい小説、の登場人物がごちゃまぜになって交錯していたのだろう、と思うけれど、じゃあ作家自身の私生活はあそこにあったのか、それともそれ自体も彼の頭の中の創作物だったのか・・・・・???
家政婦の彼女がいきなり人形でいきなり殺されて?自殺して?たのが一番わかりにくかったかなあ・・・。
公園で出会った不思議なカップルは、確実に作家の別の作品の登場人物だった。で、こっちの物語に入ってきちゃったので歯車が狂っちゃった。
刑事たちだって、猫を探す刑事と、真相を追う刑事は、多分別の次元に別れてる。
そもそもあの妻はじゃあ存在していたのか?
ラストシーン、食卓に座る彼を、他の全員が取り囲んで見つめる、という構成からして、全てが、完全に彼の創作だったのかもしれない。
作家が持つ、評価への恐怖と、苦しみ。創作活動の苦悩、それをまた作家である長塚圭史が書いてるのが怖いなあ、と思ったり。

初の本多劇場は商店街の建物の中に埋め込まれてて立地が不思議。レトロな雰囲気満載でした。中劇場らしいコンパクトでどこからでも見やすい舞台だなあ、と。途中、なかゆうさんと僧正がすぐ横の通路から登場したのは不意打ちでちょっと嬉しかった。いい声と独特の声を真横で堪能(笑)
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by yopiko0412 | 2010-03-12 00:25 | 演劇  

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