『お父さんの恋』

2005/03/25 19:00開演-PARCO劇場

堺雅人さん、去年の大河のイメージが強いですが、今回初めて舞台で拝見しました。当たり前ですが、舞台の役者さんだなあ、なんて思ってみたり。

お話は、色々考えさせられました。今はばらばらになってしまった家族が、母親の法事のために集まったある日、それぞれに抱えている思いを隠していたけれど、父親の介護ヘルパーという闖入者がいたことで、少しだけ素直になれた、そんなお話。てだいぶ端折ってますが(笑)
随所に笑いあり、後半ほろりとさせる場面あり、結構長いんですけど、楽しめました。所々突っ込みたいというか、釈然としない部分もあったんですけどね~。
観てる時も、観終わった後も、なんか自分の人生をふと振り返ってみたり、自分が今何をしたいのか、これからどうしたいのか、なんてことを考えてみたりしました。お芝居は、みんなが色々なことに気付いて、これから新しい一歩を踏み出そうとしている、というところで終わってて、これから彼らがどうなっていくのかな、という想像の余地も残っていたり。



キャストは、家族4人と、医者と、介護ヘルパーの6人と少ないですが、それぞれ個性的な面々。
まず成志さん(爆)といきたいところですが、やはりここは堺さんで(笑)
長男だけど、末っ子の大樹は、どこかふわーっとした雰囲気の、ニート君。ふわーっとしてるんだけど、実は色んなことを見て、わかってしまって、自分の行き場がない感じ。どうも自分の意見を言わないし、何にも関心がないように見せてるなあ、と思ったら、ヘルパーのさおりの実態を知ってたり、次女の美樹が長女の正子の指輪を盗んだことを知ってたり、お父さんが実は子供たちと暮らしたくて家を建てたことを勘付いてたり、それを全部自分で抱えて、どこか俯瞰して見てたんじゃないかなあ。それでもそういうのをなんとか上手く収めたいと思ってるけど、どうしたらいいかわからない、だから気付かない振りをして。でも、最後には少し素直になって、家に戻ってくる気になってた。彼が今後小説を書くかどうかはわからないけど、「人生はやり直せる」という言葉を思い出せただけでも進歩だと思う。
堺さんは、ふわーっとした演技と、後半の自分を見せる演技が、それぞれ雰囲気変わっていてさすがだなあ、という感じ。最後、権利書を取りにきたさおりと話してるシーン、あの声のトーンが少しだけ、山南さんに近かったかな(笑)あ、子供時代のあのやんちゃボウズな演技が可愛かった~!(*^^*)もっと色んな演技を観てみたい、と思いました。ドラマがあるから、次の舞台はちょっと先かしら?楽しみにしています☆

成志さんは、お父さんの主治医で、正子の同級生で、大樹の先輩で、という家族ぐるみな人。この方はほんとに舞台で存在感抜群ですね~!面白すぎます(爆)この人がいるシーンはコメディ部分が多かったけど、テンポがよくて次は何をしてくれるんだろう、とわくわくして見てました♪正子とのハグのシーンがかなり面白かったな~。
役柄的には、離婚してて、娘がいて、その娘に会う、会わない、で悩む。本人は「自分は別れた娘には必要ない人間」といって会いたがらないけど、結局正子に説得されて会う。でも会ってみたら・・・。でもね、彼は娘に会うのにちゃっかりものっすごいオシャレ(笑)してて、医者になったのも実は娘が会いたい、て言ったときにちゃんとした人間でいたいから、ていう理由だったり、ほんとは娘に会いたいし、親として見栄を張りたかったんじゃないかなあ、と。で、実際会ってみた娘が自分の想像と違っていて、というか自分も娘に幻想を抱いていたんだよね、それを裏切られてしまって、落ち込んだ。お互い様だったりもするんだけど、親には親の想いがあるんだよ、というのを正樹とは違う意味で見せてくれた。最後は彼も杉本家のいざこざを見て、娘にとって自分は元気でいればそれでいいんだ、ていうことに気付いて。

お父さん役は、前田吟さん。始め、お父さんの設定が単なる寝たきりの人だと思ってたので、なんで不自然なトーンで演ってるんだろうなあ、と不思議だったんですが、植物状態だということがわかって納得。ちゃんとそれを表現してたんですね~。というか、この設定難しいと思います、植物状態のお父さんの心の中、とその彼を取り巻く現実世界の会話がかみ合うようでかみ合わない。お父さんの心の中を聞いている(見ている)観客にとっては歯がゆいようなはらはらするような。
結局お父さんの恋は実らなかった訳だけど、最後の「勝手にしろ」はほんとに子供たちに聞こえたのか、ファンタジーなのか、実は植物状態じゃないのか(これは無いか)、どう解釈したらいいのかな・・・。

長女の正子は、七瀬なつみさん。この方も上手いですね~。思ったことを何でも言っちゃう自由奔放な正子、ぽんぽん小気味よい台詞回しで、声もよく通るし、ぴったりでした。ぽっかぽかの演技を思い出すなあ(笑)てかぽっかぽかも脚本中谷さんだったんですね~びっくり!!
でも、よくわからなかったのは、正子のキャラ。正子は自分が浮気してて、美樹に旦那さんのことをこき下ろされてそれをすごい勢いで拒否してた。で、劇中でもやたらと「結婚してないあなたにはわからない」だとか言いまくってたけど、最後は結局旦那さんとは離婚する予定で、今の浮気相手が好き、て・・・この人は結局自分しか愛せない人なんじゃないかなあ。そして、自分の周りの人には自分を愛してもらわないとダメな人。子供にも愛想をつかされてるみたいで、悩んでるけど、そんな母親じゃ愛想つかされるよ、と思ってしまった・・・。一応、「自分は男の人に頼らないと生きていけない」て認めてたから、これを機会に彼女も変わっていくのかしら・・・。

次女の美樹は、菊池麻衣子さん。役柄的に、ほとんど怒ったり泣いたりしてるばっかりの感情の激しい人なんですが、どうも声のトーンが聞こえずらいというか・・・。あんまり舞台に合ってると思えなかったんですけど、どうだろうなあ?
美樹は、キャラ的には、虚勢を張ってるな、というのが解りやすい人でした。でもそれにしたって自分の実家の権利書を盗もうとしたり、お姉さんの指輪を盗んだり、ちょっとそこまでするか?て思った。てか指輪がイミテーションなことに気付かないような人じゃそりゃ失敗するって(爆)

で、この物語のキーでもある、介護ヘルパーのさおりは、星野真理さん。この方もね~なんかもうちょっと・・・台詞だいぶとちってたし(かなり大事な場面であれはないでしょ・・・(^-^;)、台詞回しがテンポ悪い印象でした。あと、声。元気な声はまだ大丈夫だったけど、低い声がなんとも聞こえずらい。トーンも一定で、あんまり感情の起伏がわかりにくかったかな、と。テレビと舞台じゃ色々違いもあるんでしょうから、これからですかね~。
さおりのキャラは結局最後がほんと?でも一応「人生はやり直せる」という気持ちになってこれから頑張る、てこと?この人がほんとにお父さんのことを好きだったかわからない・・・でも「この家にいたい」という気持ちがあったのはほんとなのかな。だけど権利書盗みにきたし・・・隠してたし・・・考え始めるとますますわからなくなりました。

全員分語ったらやたら長いですね、また(汗)
突込みどころはあるけれど、楽しい舞台でした。しかしPARCO劇場の椅子はちょっと長時間座ってるときついです・・・。
堺さんを観に行って、もっと観たい、と思い、成志さんはやっぱりすごい、と実感した、そんなお芝居でした。
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by yopiko0412 | 2005-03-27 20:02 | 演劇  

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