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3月大歌舞伎:第十八代中村勘三郎襲名披露興行 夜の部

2005/03/20 14:30開演-歌舞伎座

おめでたい襲名披露興行、本当は全部観たい!と思ってますが、さすがに色々厳しいので、とりあえず5月をメインにしよう(笑)と。でもでも、やっぱり始まりの3月も観ないと!みたいな自分の中の葛藤を経て、夜の部のみ、3階B席での鑑賞となりました。

今まで数少ない歌舞伎鑑賞は、実は全て1階席でだったので、3階だし、なんせ3500円だし(爆)てことで席には期待せず、雰囲気だけでも、と思いましたが、それでも充分楽しみました!でもやっぱり席はね・・・3階の後方、舞台への角度もものすごいし、もちろん花道なんて95%は見えてなかった。でも、やっぱり花道が見えないと歌舞伎の醍醐味がぁ・・・と思いました。今後はやっぱり1階席にしよう、うん。




で、歌舞伎の感想の前に、雰囲気の感想(笑)
歌舞伎座に着いたのは4時ちょっと前だったのですが、既に地下鉄の車内でも行き先が同じと思われるご婦人方や、着物の方(私も着物でしたが)を多数見かけ、地上に出たらそこは人人人・・・しかもやたらと年代はばらばらだわ、着物率高いわで、華やか~な雰囲気でした。
歌舞伎座の表には、新勘三郎さんの裃姿でのお写真が飾ってありました。前に観た海老蔵さんの時もあったのかしら?記憶が薄い・・・。
それにしても、歌舞伎って午前の部が16時に終わって、夜の部は16時半から、てものすごいスケジュールですよね。役者さんも大変だし、中には昼・夜両方観劇、なんてお客様もいるわけで、観る方も大変(汗)
歌舞伎座の中も、もちろん襲名モード(笑)お弁当も襲名弁当があったり、お土産が付いたり。お土産屋さんも、襲名にちなんだ(?)商品になっててみなさん大量買い。見てるだけでも楽しかった~。
あとは、2階のギャラリー?みたいなところに、新勘三郎さんの今までの軌跡のお写真がたっぷり♪初舞台の桃太郎やら、子供の頃の楽屋での様子、今までの歌舞伎の中から選りすぐったお写真がたくさんでした~。その周りに、各界の様々な方からのお祝いの札(?)やらお花が飾られて、そのお名前を見ているだけでも今までの勘三郎さんのお仕事を伺うことができたりしました。
ところで、歌舞伎座の中は写真OKなんですね~?なんだか妙齢の奥様が数人、ごついカメラを手にそのギャラリーの写真やお札やお花の写真を撮っていました・・・ていうか、カメラ向けてるとつい立ち止まらざるを得なくて、しかもさっさと撮ればいいのにやたらシャッター切るまで時間かけてて、正直邪魔だったんですけど・・・(汗)なんだかなあ。とまたこういう点が気になったり・・・私小姑みたい?

さて、肝心の歌舞伎は、3演目。一つ目は、『盛綱陣屋』。下情報だと、有名らしいです。(てか私にとってはほとんど全てが知らないわけで、襲名披露にやってる演目は要は有名なわけで、自然と無知な感想になりますが・・・うぅ、すいません。)で、私は毎回筋書とイヤホンガイドに助けられてます。この演目は敵味方に分かれてしまった人々の悲しい運命のお話。というか、一番かわいそうなのは自害した小四郎です!て当たり前ですが。でもそこに至るまでの、周りの人々の心の葛藤とか、人間模様がなんともいえません。おばあさんの微妙(みみょう)さんがこれまた辛いんですよね~筋書きによると、この役は歌舞伎の三婆といわれる難しい役の一つだそうです、お勉強になりました。
小四郎くんと、その母の篝火、そしておばあさんの微妙さんが、役者さんたちも実際おじいさん、お父さん、孫、の3世代だった、というのがまた憎らしい演出でした。あの小四郎くん役の児太郎くんも、そしてもう一人、小三郎くん役の宗生くんも、あと何年かしたら、青年歌舞伎俳優となられるんですね~楽しみ♪

二つ目は、片岡仁左衛門さんによる『保名』。こちらは舞踊の部類に入るんでしょうか?浄瑠璃に合わせて美しく儚い舞を見せてくださいました。しかし、冒頭の蝶々を追いかけてるシーンは花道でだったので、ほとんど見れず・・・残念。

三つ目は、楽しくて夢のある『鰯賣戀曳網』(いわしうりこいのひきあみ)。初心者にはこういう世話物(ですよね?)と言われる楽しい歌舞伎はちょうどよかったです。これは、もう、猿源氏の勘三郎さん、蛍火の玉三郎さんコンビが楽しいやら美しいやら♪そして二人の周りの味のあるキャラクターがまたみんな魅力的でした。
勘三郎さんは、ほんとにさっきの盛綱さんと同一人物とは思えない、ちょっとダメ男で、恋患いの鰯売りっぷりがかわいらしくて。大名に扮する時の馬に乗れない仕草、美しい女たちに見とれる様子、蛍火に会って有頂天になっているところなど、細々とひょうきんで憎めない猿源氏を見せてもらいました~。お酒を注ぐ童を突き飛ばしちゃうところなんて最高でした(笑)また、突き飛ばされたあの子もこれでもかってくらい大袈裟に2回転くらい転がり、起き上がって必死になって髪を直して、猿源氏に背中を向けて「ぷいっ」とする、かわいらしいお芝居でした。
玉三郎さんの蛍火は、気位の高い人なのかと思いきや、すごくチャーミングでしかも美しい。ほんとは男性ですよね・・・?(笑)膝で寝てしまった猿源氏とのシーンではそのかわいらしさを爆発させてましたね~。「なんや魚臭い・・・」に笑わせてもらいました!そして、真相がわかったあとの大胆で一途な決断、猿源氏にはかわいらしく鰯売りの口上を教えて、とせがみ、元家来やその他の人には毅然としたお姫様な態度でみんなにも鰯売りの口上を言わせてしまったくだりも、そのギャップがまたステキでした(笑)
最後の、幕が下りた後の花道での引っ込みがこれまた楽しいし襲名お祝いモードだったので、ここが見えなかったのがほんとーにほんとーに残念!!でした・・・やっぱり1階で見ないと~!!

by yopiko0412 | 2005-03-22 17:02 | 歌舞伎  

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