野田MAP『パイパー』

2009/2/17-19:00開演 シアターコクーン

観たのに書いてないものシリーズ。いったいいくつあるのか・・・。
観に行ったのは、ちょうど宮沢りえの結婚&懐妊ニュースの後、だったので、つい彼女のお腹やら動きやらに目がいく。知ってたから、「ああ、そういわれてみるとお腹がちょっと?」てくらいの見た目でした。てか、衣装もちょっとふわっとしてたし。でも動きは激しかった。途中、結構座ってるシーンもあったけど、そこらへん上演期間中に変わったりしてたんでしょうか?




火星、というキーワードのみのほぼ「情報ゼロ」状態で観ましたが、野田さんにしてはわかりやすい感じでした。言葉遊びはもちろんたっぷりだし、シニカルな面もあるしなんだけど、ストーリーはちゃんと追える感じ。て今まで観たのも、わかってるつもりですけど・・・でももっと難解だったイメージが。

幸せを数値で表現する世界観は、現代への警鐘なんでしょうね・・・なんでもかんでも「指数」とか言っちゃってるのも、そのウラにある原理は知らずにその数値に踊らされていることも、事実。ちょっとぴりっとします。

この火星での「ストア」の位置づけが、いわゆる「お店」ではないという流れが、さりげなく入っていて、しかもそれが決定的な彼らのバックボーンになっている、というのがすごかった。分かった時は「あぁ~そうかっ!」とそれまでの色んな台詞とリンク。この芝居における「現在」という時間軸の中では、「ストア」は「お墓」みたいなもの。でもそれは、「過去」のある一点によって、「お店」から「お墓」に変わった、それがターニングポイント。
パイパー達は、徹底して人間の「幸せ」や「欲望」のために働いていたんだ、でも彼らはやはり機械、幸せ指数や、言葉そのものをそのまま受け入れるし、相手が生きているか死んでいるかはわからない。だから、パイパー達は間違っているわけではない、間違っていたのは、そんな「幸せ」を考え付いた、過去の地球人、火星人たち。

クライマックスの、松たか子「母」×宮沢りえ「娘」のやり取りが圧巻。彼女達が見てきた火星の「ゼロ」地点は、そのまま地球が行き着く未来、なのかもしれない。事実、含まれる言葉の中には、現実の我々の世界観が投影されていたから。「地球もこんな道を歩むのか?」そんな大きな命題を突きつけられた。

圧倒的な絶望の中から、かすかな希望が生まれたラストは、フォボスもダイモスも、これから新しい火星を、新しい火星人世界を生きていくように思えて、野田さんにしては後味がいい終わり方だったな、と思います。
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by yopiko0412 | 2009-06-13 01:28 | 演劇  

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